連載 SaaSベンダーの取組みを追う

第7回

日本情報通信 NTTコミュニケーションズと連携してサービス提供

 日本情報通信(NI+C)は、企業向けクラウドコンピューティング・サービス提供のため、自社内に設立するクラウドコンピューティング・センターとNTTコミュニケーションズ(NTTコム)のSaaS基盤を連携してサービス提供することを発表した。日本IBMの製品やアーキテクチャーを中心に構築されたクラウドコンピューティング・センターの通信インフラとして、NTTコムのSaaS基盤サービス「ビズシティ・フォー・SaaS・プロバイダー」を適用する。

 日本IBMとNTTの合弁会社であるNI+Cは、両社の持つクラウドコンピューティング向け技術と、仮想化技術を中心としたサーバー統合サービスなどを提供してきたノウハウなどを集約させ、クラウドコンピューティング・サービスとして体系化した。
サービスは、ユーザーの持つシステムをクラウド化する「プライベート・サービス」、アプリケーションサービス、インフラストラクチャサービス、仮想ホスティングサービスを提供する「メンバーシップ・サービス」の2種類を用意した。
メンバーシップ・サービスのプラットフォームは、日本IBMのすべてのハード製品と、クラウド環境の構成、最適なプロビジョニングを実現する「チボリ・プロビジョニング・マネージャー」を採用して構築した。
アプリケーションサービスは、パートーナーのアプリケーションを、NI+Cが運用する環境でSaaS化してマルチテナント方式で提供する。インフラストラクチャサービスは、開発環境などのプラットフォームをPaaSとして提供する。
仮想ホスティングサービスは、ユーザーのシステムをNI+Cのクラウドコンピューティング・センターに仮想化技術を活用して構築、アプリケーションなどをサービスとして提供する。
今回、このサービス提供の通信インフラの標準メニューとして、VPNを用いてセキュアなクラウドコンピューティングを実現するNTTコムのビズシティ・フォー・SaaS・プロバイダーを適用することになった。
まずは、具体的なサービスの第一弾として、OSKの「eバリューNS」をSaaS形式で提供する「ドキュメント管理サービス」と、サーバー環境をPaaSとして利用できる「開発環境提供サービス」を提供する。
今後の展開として「ユーザーの希望に応じて、マルチプラットフォーム、マルチネットワークに対応したオープン環境でのサービス提供を可能にしていきたい」(花井貢取締役)としている。

 

  

日本情報産業新聞2009年7月6日号

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