SAPジャパンが国内にクラウドDCを開設

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 SAPジャパンは、インメモリーコンピューティングプラットフォーム「HANA」を基盤としたクラウドサービスを提供するデータセンターを国内2カ所に開設した。SAP社のグローバルデータセンターはドイツ、オランダ、米国に続く4カ所目で、アジア地域における同社のデータセンターの開設は初となる。SAPジャパンは、基幹業務システムの「SAPビジネス・スイート」や分析ツール「SAPネットウィーバー・ビジネス・ウェアハウス(BW)」など、HANAを基盤として構築したアプリケーションマネージドサービスをクラウドベースで提供する。

 同社は、基幹業務システム(ERP)であるSAPビジネス・スイートをはじめ、分析プラットフォームのBWといった基盤系アプリケーションに加え、買収によって傘下に収めたB2Bの購買・調達ソリューションを提供する「アリバ」や、タレントマネジメントの「サクセスファクターズ」など、これまでエンタープライズ領域のアプリケーションサービスをクラウドベースで提供できる体制を整えてきた。
 そして新たに今回、データセンターを活用して、HANAを基盤としたSAPのクラウドアプリケーションの開発から運用・保守までのサービスとして「SAP HANAエンタープライズ・クラウド・サービス」を開始した。これにより、「エブリシング・クラウド、エブリシング・インメモリーというSAPの新しいコンセプトを具現化した」(SAPジャパン安斎富太郎社長)こととなる。また、「インメモリー基盤で大規模基幹系システムをクラウド提供するデータセンターサービスはSAP社のみ」となる。
 データセンターは、東京と大阪の2都市に設置されている。双方を10Gbの回線でつなぎ、バックアップやハイ・アベイラビリティサービスも提供する。さらに、同データセンターは、日本だけでなくSAP社アジア太平洋地域のクラウドビジネスの拠点という位置付けとなる。
 今後HANAデータセンターで培ったサービスノウハウは、パートナー向けに展開していく。HANAエンタープライズ・クラウド・サービスやデータセンターの構築や運用における技術ノウハウ、オンプレミス環境からの移行プロセスなどを公開し、パートナーがそれぞれのデータセンターからHANAを基盤としたクラウドサービスを提供できるように、認定制度の構築も含めて支援していく。

SAPジャパン