メンタルヘルスケアへの取組み
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労働安全衛生法改正の閣議決定により、メンタルヘルス検査を義務付ける法案の成立が濃厚となってきた。従業員50名以上の企業は、メンタルヘルス検査が義務化され、50名未満の企業については、努力義務となる。
メンタルヘルス検査とは、すなわちストレスチェックのことで、この検査を行うことによって、従業員の現在のストレス具合を把握し、早期に必要な措置を取るための仕組みとして使われる予定だ。
すでに、大手企業では、メンタルヘルスケアに取り組んでいる割合は高く、産業医と連携した対策が実施されており、大きな負担とはならないはずだが、中小企業となると状況は異なる。
特にIT業界では、新法案で矢面に立たされる立場にある中小規模の企業数が圧倒的に多く、内にこもる機会の多い開発者を抱えるソフト開発会社については、以前より精神面での健康維持が課題となっており、今回のメンタルヘルス義務化法案についても、ソフト業界の対応が注目されているとも聞く。
下請構造が色濃く残るこの業界では、従業員の職場環境について、企業が自社の判断のみで改善できる範囲は限られている。しかし、将来の技術者不足が懸念される中、無対策で押し通すことは業界の存亡にも係わる。大手も含めた業界全体としての対策が求められることになるはずだ。
ソフト開発の環境が、クラウドやモバイルの普及によりいやでも変わっていくであろうことは、情報サービス産業協会(JISA)が公表したレポート「クラウド時代の新しいソフトウェア開発の潮流」でも述べられている。
レポートでは、今後、アジャイルなど新しい開発手法への取り組みが必要になるとしているが、例えばアジャイル開発は、チームで頻繁にコミュニケーションを取りながら開発を進めていくものであり、技術者の対人関係、職場環境そのものを変える可能性を秘めている。
(G)