TKCが自治体向けに、地方税の電子納税を支援
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TKCは、地方自治体向けに確定申告における電子納税業務を支援するサービスを2018年1月から開始する。総務省や国税庁は、国税当局および地方自治体の税務行政の効率化と納税の利便性向上に向け、現在紙ベースで動いている自治体での所得税確定申告書の作成や受渡しの電子化対応を各自治体に促し、一部自治体で対応が始まっているが、全体的には様子見の状況にある。TKCは対応するシステムを総合行政ネットワーク(LGWAN)回線を活用したクラウドサービスとして提供、他社の申告書作成システムとも連携できる仕組みとして導入の敷居を下げ、自治体での対応を促す。
複雑なフローを安全に
市区町村では現在、地方税当局の申告相談会場窓口で所得税などの確定申告を受け付けているが、税理士など地方税当局担当者がPCで作成した申告書類を自治体の職員が受け取り、紙に印刷して国税当局に送信あるいは持参し、その上で国税当局で再度電子化するという回りくどい作業が行われてきた。
そこで国は、今年1月に行政の効率化の一環として電子申告業務の要件を緩和し、条件を満たせば納税に訪れた住民の確定申告データを、地方自治体の職員がLGWANを介して直接国税電子申告・納税システム(e―Tax)にデータ送信できるよう法改正した。
すでに国税庁からシステムを活用した自治体での業務フローが提示されているが、納税にあたっての識別番号やe―Taxで受付番号が必要となるなど電子申告データの作成は複雑である上に、自治体の情報システム強靭化対応でネットワーク分離が求められた中、LGWAN接続PCへのデータ移行などでリスクも散見されるため、16年度の確定申告で対応した自治体は1割程度にとどまっている。
現状で実施は義務ではないが、国の規制改革推進会議では電子手続きの簡略化を推進、マイナンバー活用の動きとも併せて国税・地方税の電子納税に向けた自治体への周知徹底は今後加速していくものと見られている。
TKCは、従来から自治体の電子申告を支援する地方税電子申告支援サービスをパートナーと連携して提供している実績がある。新たに自治体が作成した確定申告書データをe―Tax用データに変換、送信できるサービスを用意し、「TASKクラウドe―Tax連携サービス」(仮称)として提供する。
クラウドサービスのため、電子申告データの作成・送信に外部記憶媒体を使わず安全に行えるほか、要件などの変更にもTKC側で柔軟に対応。必要な帳票を自動作成、印刷するなどの業務支援機能も備えており、早期導入および低負荷な運用が可能となる。