メーカー4社の中間決算出揃う

06 11/6

 国産メーカー4社の06年度中間決算が発表された。好調な国内経済の波に乗ったユーザーのIT投資が順調に推移し、日立製作所を除く各社は増収増益となり好調さをアピールしている。逆に日立は、電力関連や民生分野での苦戦から赤字決算となった。IT関連では、ソフト/サービスで各社が好調さを示しており、特に富士通は海外でのアウトソーシング戦略が功を奏するなど元気を取り戻している。なおNECは、米国会計基準の関係から中間決算の発表時期を11月中旬と予定しており、例年通りの国産メーカー5社そろい踏みとはならなかった。

 日立製作所

 日立製作所が発表した連結売上高は、8・1%増の4兆7709億円と増収になったが、営業利益は74・5%減の199億円、純損失は781億円の赤字となった。情報通信システム部門の減益や、電力・産業部門とデジタルメディア・民生機器部門の営業損失が影響するなど、苦戦を強いられている。
 IT関連では、情報通信システム部門の売上げがソフト/サービスの堅調さで8・6%増の1兆1478億円、営業利益は40・3%減少し138億円となった。前年同期に連結子会社の代行返上益があったことから、減少となった。

 東  芝

 東芝の連結売上高は、9・0%増の3兆1620億円で、営業損益は26・8%増の651億円、純利益は165・1%増の388億円と増収増益だった。
 IT関連では「デジタルプロダクツ」が13・2%増の1兆3159億円と好調で、ストレージデバイスが増益となったが、パソコン事業が価格下落や円安の影響で悪化し、営業利益は76億円の赤字となった。

 富 士 通

 富士通は、連結売上高が前年同期比7・8%増の2兆3623億円で、経常利益は137・0%増の377億円、純利益は93・7%増の148億円と増収増益となった。海外事業の好調さなどが牽引した。
 IT関連の実績は、サーバーなどのシステムプラットフォームが1・8%増の3387億円となった。なかでもUNIXサーバーの売上げが14・5%増と2けた増を記録した。サービスは、7・8%増の1兆898億円で、金融や製造、流通分野が好調だった。

 三菱電機

 三菱電機の連結売上高は、8・7%増の1兆7920億円で、営業利益は103・5%増の936億円、純利益は94・1%増の565億円と増収増益だった。
 IT関連の「情報通信システム部門は、売上高が13・5%増の3049億円で、営業利益は前年同期の赤字から95億円改善して52億円の黒字に転換した。情報システム・サービス事業においてSI事業の伸びが効を奏し、売上高が前年同期を上回った。

日立製作所 http://www.hitachi.co.jp/
東芝 http://www.toshiba.co.jp/index_j3.htm
富士通 http://jp.fujitsu.com/
三菱電機 http://www.mitsubishielectric.co.jp/