総務省がコンテンツの流出防止技術など開発へ

07 3/5

 総務省は、ウィニーなどピア・ツー・ピア(P2P)のファイル共有ソフトによる情報の流出を検知し、漏出情報の自動流通停止を行う技術開発を公募した。P2Pのファイル共有ソフトは、情報流通のコスト削減やサーバー負荷の軽減が可能で、新たなサービス市場の創出が見込まれている。ところが、ウィニーのように悪質なウイルスに感染すると、情報が流出したときの転送先が不特定多数になることと、事後に回収することが困難な状況にあり、これを解消することで、健全なデータやアプリケーションの流通市場を確立しようというもの。

 インターネットが多くのユーザーに利用され、情報セキュリティの確保が火急の問題となっている。政府の第1次情報セキュリティ基本計画やセキュア・ジャパン2006でも、ネットワークや流通する情報の安全性と信頼性の確保が求められ、それに関連するセキュリティ対策技術の研究開発が推進されようとしている。
 今回の技術開発案件は、そうした政策の一環として総務省が中心となって進めるもので、3年計画のうち初年度の07年度予算として5億円を計上している。
 情報の流出が発生したときの被害を最小限にとどめ、ファイル共有ソフトによる情報漏えいのリスクを最小限にすることで、安心してネットワークを利用できるようにする。
 そこで、すべてのトラフィックからファイル共有ソフトのトラフィックのみを抽出する技術や、ファイル共有ソフトで交換される情報の中から特定の特徴を持つ情報を検知して排除する技術、新たな自動転送型ファイル共有ソフトの出現を早期に把握できる技術の3点を確立していく。
 初年度は基本的な方式を確立すると共に、効率的にハードに実装するための設計指針を明確化していく。2年目は初年度の基本方式をブラッシュアップすると共に、方式の実装機器の試作と実験、最終年は試作モジュールの大規模対応、処理の高速化を図り、試作モジュールの有効性などを検証する。
 研究開発期間は07年度から09年度の3年間となっている。今回は情報流出と自動流通停止のほかに、情報漏えい防止を強化する「情報の来歴管理等の高度化・容易化に関する研究開発」も実施することにしている。


  総務省 http://www.soumu.go.jp/