総務省がICTベンチャー育成に指針を発表

07 2/19

 総務省は、ICT(情報通信技術)ベンチャー企業の育成と成長を促すには人材確保が不可欠だが、現在は十分に必要な人材を確保できていない状況にあることから、人材採用にかかる課題と方策をまとめるとともに、将来のICT分野を担うベンチャー企業の成長を支援していくことにした。そこで、これまで「ICTベンチャーの人材確保のあり方に関する研究会」を開催し、その内容を報告書として公表した。ICTベンチャー支援の一環として、ビジネスが成長する上で必要な経営課題を明らかにするとともに、人材確保のノウハウをガイドラインとして提供していく。

 ICTベンチャーは、Webサービスや携帯電話コンテンツ開発・サービス、インターネット広告、ソフト開発、ネットワークシステム開発、電子機器など、従来のICTビジネスを補完するか、または新たなビジネスモデルを構築している。
 ベンチャー企業が事業を拡大するためには、「ヒト・カネ・モノ」という経営資源の強化拡大が必要になる。設立当初は起業として生き残っていくための事業開発が中心となるが、事業拡大期に入ると組織の確立とリーダーシップの開発に注力することになる。
 特に組織を構築する人材の確保面では、そのノウハウがなく、どのような人材がどの程度必要になるかがポイントになる。
 そこで総務省は、ICTベンチャー企業のウィークポイントになっている人材確保に焦点を当てて検討した結果を報告書とガイドラインとしてまとめた。
 例えば、経営課題として人材確保を見た場合に、事業拡大に伴い発生する経営課題に対して、既存の人材では対処しきれないだけでなく、人材を採用しても育成のノウハウや余力に乏しかったり、優秀な人材を雇用する資金力もない。
 報告書ではそうした課題を明らかにすることで問題点を明らかにし、ベンチャー企業が人材確保を行うに当って問題解決を促すガイドラインを策定した。また、ICTベンチャー企業内の問題だけでなく、市場全体での今後求められる人材育成方策などにも言及している。
 ガイドラインは、成功した元ベンチャー企業の経営者にインタビューを試みて人材確保での対処方法など具体的な方策を入手し、ベンチャー経営者やCEOが人材確保で悩んだ際に「解決のヒント」として活用できるように整理している。



 総務省 「ICTベンチャーの人材確保の在り方に関する研究会」報告書 (PDF形式)
      
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