SAPジャパンがDB分野への本格参入を表明
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SAPジャパンは、データベース(DB)事業を本格展開することを表明した。インメモリー・コンピューティングエンジンの「SAP HANA」と、一昨年に買収したサイベースの製品を軸に、データベース統合によるリアルタイム経営をコンセプトに掲げ、事業を推進していく。4月より、SAPジャパンのHANA関連の営業部門とサイベースの営業部門を統合し、データベース・テクノロジー営業統括本部を設置、本格的な営業活動を開始している。現在、HANAとサイベース製品群はモジュールで連携するという形だが、今後製品を統合していく予定だ。
これまでSAP社は、ERPを中心としたエンタープライズアプリケーション分野を主要事業領域としていたが、「リアルタイム経営を実現するという創業からのコンセプト」(SAPジャパン安斎富太郎社長)を軸に、ビジネス・オブジェクツ社の買収によりBIを強化し、サイベース社を買収してDBとモバイルコンピューティング分野を強化してきた。
さらに同社は、新たな旗艦製品と位置付けるインメモリー・コンピューティング製品のHANAを発表した。HANAは、リアルタイム・データ・プラットフォームとしてさまざまなDBと連携し、高速処理するアプリケーションを開発できる。現在世界では100社超、日本国内だけで30社以上の導入実績がある。
市場ではデータ量が増大して、ビッグデータ活用が今後のトレンドとなりつつあり、モバイル端末が普及して複数の端末がそれぞれDBを持ち、DB環境は複雑化している。そこで、すべてのデータのリアルタイム統合および活用のためのプラットフォーム製品としてHANAを提供し、次世代型のデータベースとして市場獲得を図る。
現在サイベース製品群は、他の製品と同様にHANAに連携する形だが、最終的に1つのDBに統合される。まずリアルタイム・コンピューティング基盤としてHANAを導入することで、既存の企業の各DBのデータをHANAに統合・一元管理し、最終的にHANAと親和性の高いサイベース製品群への移行を促すというシナリオとなっている。