NTTがSaaS分野でマイクロソフトと協業

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  NTTは、昨年提供を開始した次世代ネットワーク(NGN)におけるSaaSビジネス分野において、米マイクロソフト(MS)社と協業した。マイクロソフトがアプリケーションパートナーとして参加し、NGNでのSaaSビジネスの事業化を検討していく。NTTは、安全や通信の品質を確保しているNGNをサービスの基盤として活用することで、現在SaaS利用時のネックとされている部分の不安を解消するとともに、マイクロソフトと協業することで、ビジネス分野の様々なアプリケーションの提供を可能とし、今後のNGNの普及拡大を図る。

 NTTは、昨年5月に発表した中期経営計画の中で、今後の収益構造を2007年度に約5割を占める電話を中心としたレガシー通信系から、新しいNGNやスーパー3Gを活用したIP系・ソリューション系へと移行させ、2012年度には後者の収益を全体の75%に高めるという事業計画を明らかにしている。
  今後NTTがユーザーのNGN利用を促進し、収益性を高めていくためには、IP系の上位レイヤーで提供する新しいキラーコンテンツが必要となるが、そのひとつに映像などのコンテンツと並んでビジネス分野におけるSaaS展開が含まれている。
  その際に、様々なパートナーと協業・連携し、NGNを中心とした安心・安全なICT基盤上に新たなSaaS市場を創造してゆくコンセプト「SaaSオーバーNGN」を展開しており、今回の提携もこの枠組みで行われたものとなる。昨年5月には、セールスフォース・ドットコムと同様の協業を行っており、今後も複数のベンダーとの協業を推進していく。
  マイクロソフトには、従来型のソフト利用と、今後普及が予測されるSaaS・クラウド型のサービス利用の最適な組合せを模索し、ビジネスソフト市場における優位性を確保したいという狙いがある。
  現在は、NTTグループ各社とマイクロソフトによる検討チームを発足した段階で、まずは国内における今後の具体的なビジネス展開に向けて検討を進めていく。

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