政府が電子行政の推進に政府CIOを設置
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政府は、電子行政推進の司令塔的な存在となる「政府情報化統括責任者(政府CIO)」職を新設した。初代政府CIOには、元リコー副社長でリコージャパンの遠藤紘一顧問が就任し、同時に内閣官房に、約20人からなる政府CIO室を設置し、活動を開始している。政府CIOは、各府省のCIOを統括し、各府省のIT投資や技術標準、セキュリティなどの運用状況を横串で管理し、政府情報システムの刷新を円滑に進めるほか、今後の実施の方向で進んでいる社会保障・税に関わる番号制度(マイナンバー制度)に関する施策を推進する役割を担う。
政府CIOは、昨年8月にIT戦略本部が決定した「電子行政に関する基本方針」の中で設置が定められ、その後政府情報システム刷新有識者会議で活動範囲や支援体制などが議論されてきた。
これまで政府系情報システムは、府省ごとにばらばらに構築されており、活用やコストの面での多くの無駄が指摘されてきた。そのため老朽化に伴うシステム刷新にあたっては、調達から構築手法、運用まで抜本的な見直しが行われている。
これらの共通問題認識のもと、府省ごとにCIOが置かれて活動しているが、縦割り文化のなかで業務プロセスや制度改革と一体となった取組み、府省の枠を超えたIT投資の全体最適、情報システムの相互運用性の確保といったさまざまな面で、現状のガバナンスでは不十分な状況にある。
さらに、現在国会に法案提出中のマイナンバー制度の実施にあたり、情報システムや業務プロセスの全体最適および共通化は欠かせない。そういったことから、府省縦割り構造を打破して実務や電子行政を進める司令塔として、政府CIO職を設置することとした。
政府CIOは、政府情報システムの刷新および電子行政の円滑な推進、ITガバナンス実施のため、システムの利用者および国民視点の確保、地方自治体および民間との連携、IT政策担当大臣および各府省庁、自治体および民間との調整などの役割を担う。
初代CIOには、電子行政の推進を円滑に進めるための力量を備え、政府活動にも参加し実際に業務経験のある人材として、リコージャパンの遠藤紘一顧問が選ばれた。