政府系情報システムの運用経費は3900億円に
10 9/13
総務省は、各府省庁が所有している情報システムの実態調査を行い、それぞれが所有しているシステムの総数と運用経費を明らかにした。また、運用経費が1億円以上の206システムに関しては、府省庁名と情報システム名、主要事業者、運用開始年度なども公表した。それによると、20府省庁で所有している情報システム数は本省と地方を合せて2059システムで、年間運用コストは約3900億円にのぼっている。総務省は「政府情報システム改革検討会」を設置し、費用対効果を踏まえた効果的な政府情報システムの整備・運用のあり方を検討していくとしている。
調査によると、システム総数が2059のうち、年間運用経費が10億円以上のシステムが56システム、運用経費1億円以上で10億円未満の中規模システムが150システム、運用経費1億円未満の小規模システムが1853システムという結果となった。
年間運用経費の合計は約3900億円で、そのうち中規模と大規模のシステムを合せた年間運用経費が3700億円を占めている。また、システム刷新の主要な対象となるメインフレームによるシステムが現状94システム稼働しており、これらが総運用コストの半分近い約1800億円を費やしている。
情報システムを最も所有しているのは厚生労働省で985システム、予算額に基づく今年度の運用経費は1547億1700万円となっている。所有数の2番目は国土交通省で226システム、運用経費の2番目は財務省で631億3400万円となっている。
メインフレームを最も所有しているのも厚労省で、1967年に運用を開始した社会保険オンラインシステム(年金給付システム)をはじめ67件と群を抜いて多い。2番目は防衛省の12システムだが、システムの総数が89と少なく、レガシーシステムの残存比率ではトップとなっている。
5月にIT戦略本部が決定した「新たな情報通信技術戦略」の3本柱の1本に、電子行政の推進があげられており、今回の調査は、電子行政を推進するにあたっての前段階で現状を明らかにするために実施された。調査結果を踏まえ、今後情報化投資の費用対効果が高い領域について集中的に業務の見直しを行った上で、共通の情報通信技術基盤の整備を行っていく。