富士通SSLがRuby技術者を300人育成へ

11 4/25・5/2合併号

 富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ(富士通SSL)は、Ruby技術者の育成を強化し、2012年度末までにRuby技術者を300人育成する。現時点で300人のRuby技術者育成計画はインパクトが強いが、これには同社が元々オープンソースソフト(OSS)関連のビジネスを得意とするなかでRubyのJIS規格化に伴う今後の需要増加を見据えてというビジネス的な思惑だけでなく、「若いうちにトレンドに裏打ちされた新しい言語に触れることは今後技術者として成長していくために大切なこと」(花岡和彦社長)と、技術者の底上げといった意味合いも込められている。


 Rubyは、現在Rubyアソシエーションの理事長を務めるまつもとゆきひろ氏が開発しているオープンソースのオブジェクト指向スクリプト言語で、ここ5年ほどで世界的に人気が高まっている。3月にはJIS X3017に制定され、継続して国際標準(ISO)化に向けた動きも展開されている。
 富士通SSLは、これまで自社開発のIT機器管理ソフト「ききマネージ」をRubyで開発したほか、エンタープライズシステムへの適用の検証を行うなど「生産性の高さは検証済み」(花岡社長)で、昨年末にまつもとゆきひろ氏を会社に招いて社内研修を行うなどの活動を行い、すでに70名のRuby技術者を擁している。
 同社は今後、新人技術者に対してまずJavaを習得させ、その次の言語としてRubyを習得させる。そのほかにも既存のOSS系の技術者で20代の若手技術者を中心に、Ruby技術者を300名育成する計画となっている。
 その際には、Rubyアソシエーションが認定している「Ruby技術者認定」の資格取得を推奨する。そのため、社内ではRuby技術者認定試験に向けた社内講座を提供するほか、社内のPaaS環境において、個人学習用にRubyと開発フレームワーク「Ruby on Rails」の使用環境を提供する。

 さらに同社は、会社としても今年6月までに「Rubyアソシエーション認定システムインテグレーター」の最上位認定「ゴールド」の取得を目指す。

 

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