RubyがJIS規格化
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情報処理推進機構(IPA)は、同Ruby標準化検討ワーキンググループ(WG)が策定した国産プログラミング言語である「Ruby」の技術規格書がJIS規格「JIS X 3017」として制定されたことを明らかにした。JIS化されたことでRubyの相互運用性が向上し、Rubyによるシステム開発の幅が広がっていくことが予測される。日本で発案されたプログラム言語がJIS規格化されるのは今回が初で、さらに国際標準化に向けた手続も行っている。ただし、今後の言語自体の発展は、あくまでコミュニティベースとなる。
Rubyは、まつもとゆきひろ氏が1993年に考案したオープンソースのオブジェクト指向スクリプト言語で、開発環境の「Ruby on Rails」の登場を契機に世界での評価が高まり、特にここ5年ほどの間に国内でも急激に普及が進んできた。
現在は認定資格制度も行われ、まつもと氏が在籍する松江市や福岡県ではRubyを産業振興に利用しているほか、業務アプリケーションへの適用も増えているという状況にある。
このようにRubyが国内で普及してきたことから、IPAはRuby標準化検討WGを設置し、Rubyの文法や基本的なライブラリーなどの言語仕様をJIS規格化するために原案を作成してきた。
規格の原案作成にあたっては、ワールドワイドのRubyコミュニティとの間で十分なコミュニケーションを図った。まずWG内で英文仕様書を作成して、ニューヨークでRuby仕様書の説明会を開催するなど何度もコミュニティからコメントを収集して意見を反映し、完成させた英文の仕様書を日本語に翻訳してJIS原案を作成した。日本工業標準調査会によるレビューを経て、今回JIS規格として制定された。
同規格に準拠したRubyプログラムを作成することで、他の環境への移行や外部システムとの相互接続性を高めることができるなどのメリットがある。そのほかにも、Rubyを用いたアプリケーションの開発や提供が安定するようになり、更なる利用促進が期待できる。
さらにIPAは、日本工業標準調査会に対して、RUBYを国際標準にするためにISO/IECに対して国際標準化の提案をするように申し出を行っている。
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