住商情報システムが10月にCSKと経営統合
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住商情報システム(SCS)とCSKは、経営統合することを明らかにした。住友商事とSCSが共同で3月10日より株式の公開買付け(TOB)を行い、今年10月1日にSCSを存続会社とする新会社「SCSK株式会社」を発足させる。新会社は、持ち株会社の下にSCSカンパニーとCSKカンパニーが並存する。SCSKは従業員数が1万2500人、11年3月期予想の売上高合算が2800億円となり、業界で2位グループの大手SI企業が誕生する。CSKの事業再生に伴う救済合併の色合いが濃いが、SCS中井戸信英会長兼社長は「業界のリーディングポジションをねらう」としている。
SCSKの代表取締役社長には、SCSの中井戸社長が就任する予定で、CSKの中西毅社長は、代表取締役副社長としてCSKカンパニーのトップに就任する。一方のSCSカンパニーのトップには、SCSの露口章代表取締役が就任する。
CSKは1968年に故大川功氏が設立し、下請・受託開発を担う独立系システムインテグレーターとして象徴的な存在だった。ところが、セガやベルシステム21など他業種企業の買収、さらに金融・不動産事業への進出など多角経営に乗り出した結果、大規模な負債を抱え、昨年経営再建の一環として本来のシステム開発事業に回帰する方針を打ち出していた。
事業再生に携わったのが住友商事グループで、昨年9月に、SCSとCSKの間で業務・資本提携に向けた話し合いが開始され、1年半の検討期間を経て今回吸収合併という形で決着をみた。
TOBは、現在住友グループのACAインベストメンツが所有しているCSKの株式を住商とSCSが取得する方式で行い、SCSKは引き続き住商の子会社という形になる。合併後の事業展開について中井戸社長は、「システム開発からITインフラ構築、BPO、ハード・ソフト販売までフルラインアップを持った業界初のグローバルカンパニーを目指す」としている。
今期予想の両社の売上げは、SCSが1350億円でCSKが1450億円、営業利益はともに70億円と近いが、従業員数はSCSの約3500人に対し、受託主体のCSKは約8800人も抱えている。
中井戸社長は、「得意な領域が共通しているが、顧客はかぶっていない」という利点を示し、「住商グループからの案件にCSKの技術者を充てる」などリソースを有効活用するための方策を検討しているが、受託開発が縮小していくなか、いかに大所帯での利益率を向上させていくかが今後の課題になりそうだ。
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