NTTが南アフリカの大手システム会社を買収

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 NTTは、南アフリカ共和国に本拠を置いてロンドンとヨハネスブルグ市場に上場している大手情報システム会社ディメンションデータ(DD)社を21・2億英ポンド(2860億円)で買収する。DD社は、既存のNTTグループのICTサービスを様々な側面から補完するビジネスを展開しており、サービス領域はNTTコミュニケーションズ(NTTコム)に近く、同社の海外ビジネスを補完するポジションに位置している。株式の取得はTOBにより実施され、買収が成立すればNTTのグローバル事業売上は情報システム分野を主に単純合算ベースで約70億jになる。

 DD社は、企業のITコミュニケーションインフラのコンサルから保守までのサービスを提供しており、昨年度の売上高は40億ドル、7年連続で年平均9%の増益を実現している。
NTTは、買収の大きな理由として、海外ビジネスにおける補完性の高さを示している。例えばカバーエリアは、NTTグループがあくまでアジアを中心として欧米をカバーしているのに対し、DD社は中東・アフリカ、アジア、欧米、オーストラリアをバランスよくカバーしている。
顧客基盤に関しては、NTTは日系企業および非日系の多国籍企業3千社を顧客基盤とし、各国横断的にサービスを提供しているが、DD社は世界49カ国の6千社に対して国内向けのサービスを提供している。
グループ内における今後のDD社の立ち位置は、現状でディメンションデータという強固なブランドを構築していることから、NTT東、NTT西、NTTコム、NTTデータなどと同様にNTT持ち株会社直轄という位置付けで、グローバル事業の中核を占めるサービス子会社となる見込みだ。
今後のグローバル事業戦略に関しては、まず両社間でのクロスセルを行い、次にグローバルでIT、ネットワーク、データセンター、セキュリティ、モバイルを含めたワンストップサービスを提供する。これにより、新規顧客の獲得ならびに既存顧客に対するアップセルによる受注拡大を図る。

 

さらに、今後のクラウド時代に対してNTTのR&DのリソースとNTTデータのアプリケーション開発、NTTドコモのモバイル領域の力を組み合わせて新しいサービスを開発するとしている。

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NTT(持ち株会社)