インフォテリア、ソフト開発にデザイン指向
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インフォテリアは、自社ソフトのグローバル展開を視野に、デザイン指向を取り入れたソフト開発および戦略コンサルティングサービスを提供する英国のベンチャー企業This Place社を買収した。「機能ファーストからデザインファーストへ」(インフォテリア平野洋一郎社長)というハードやコンシューマー向けソフトにおけるムーブメントが、今後企業向けソフトの世界にも及ぶことを見越して、英米で実績を持つThis社を傘下に収め、足掛かりとした形だ。
次世代ハンドブックから
This Place社は2011年創業のベンチャーで、WebやアプリケーションのUIや構築、更には企業での活用におけるデザイン・コンサルティングを行っている。ロンドンと米シアトルに拠点を持ち、16年の売上高は480万英ポンド(6億7500万円)。
買収金額は700万英ポンド(10億円)で、今後5年間の業績に合せてインセンティブを支払う「アーン・アウト方式」で買収し、4月20日の買収完了をもって100%子会社化する予定だ。
インフォテリアは、これまでもThis社にはソフトのデザインを委託している関係であり、すでに共同開発した次世代型モバイルコンテンツ管理システムの「Tristan」を英語圏において「Handbooks」の名称で販売している。
Tristanは、同社のヒット製品「ハンドブック」の次世代版で、日本ではハンドブックの販売状況をふまえて、これから発売される予定となっている。This社買収による国内での製品展開は、同製品からスタートし、IoT活用モバイル基盤「プラティオ」などの既存製品に順次反映させていく。また、新たなデザインファーストによる製品開発も行う。
自社ソフトへのデザイン適用に加えて、日本でも今後企業向けにソフトのデザイン戦略コンサルティングサービスを展開する予定。さらにグローバル戦略としては、This社の英国、米国の拠点から、ソフトの欧米展開も図る。
今回の買収により、同社がこれまで標ぼうしていた「データ」(ビッグデータ・AI)「デバイス」(スマート&IoT)「ディセントラライズド」(ブロックチェーン)に「デザイン」を加えた「4つのD」(平野社長)という新しいコンセプトのもとで、製品開発を行っていく。