凸版印刷と台湾のEインク社が開発、曲がるカラー電子ペーパー

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 凸版印刷は、台湾Eインク・ホールディング社と共同で32型サイズの曲がるカラー電子ペーパー(フレキシブルカラー電子ペーパー=写真)を開発した。1枚のTFT駆動背面板で構成されたフレキシブルかつフルカラーの電子ペーパーとして、世界最大サイズとしている。凸版印刷とEインク社は今後もフレキシブルカラー電子ペーパーの技術開発を進め、防災、交通、製造・物流、小売、金融などの幅広い領域での活用を視野に2017年末までの商用化を目指す。
  フレキシブルカラー電子ペーパーは、軽量で太陽光下で優れた視認性を持ち、低消費電力で表示した画像を保持するのに適する。これにより、これまで設置が難しかった屋外や明るい場所でのカラー表示を可能にするとともに、大型表示装置として防災用掲示板としての活用が見込める。
  電子ペーパーは外からの光を反射して表示しているため、明るい所でも見やすい反面、カラーフィルターを用いてカラー化すると、バックライトで照らす液晶ディスプレーと比較して画面が暗くなるという課題がある。
  電子ペーパーパネルはEインク社が製造したもので、カラー用の前面板と、高精細フレキシブル基材による背面板の組合せによって構成されている。
  凸版印刷は、同パネルのフレキシブル背面板に、従来は素材特性上難しいとされていた正確な位置精度でカラーフィルターを形成する技術と、外からの光を反射して表示する電子ペーパーの表示特性に適した色再現技術を確立、電子ペーパーに合わせて最適化し、電子ペーパー向けのカラーフィルターを開発したことで、従来よりも明るい色調の再現を可能にし、画面が暗くなる問題を解決した。
  サイズは、横691・2mm×縦388・8mm、画素数が横1280×縦720カラー画素、表示色は4096色などとなっている。現在は試作品で、2017年までの商用化を目指す。

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