東芝がクラウド環境へ完全移行
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東芝は、国内グループ会社の情報システムをプライベートクラウド化し、システムの運用を開始した。引き続きシステムのクラウド化を海外のグループ会社全体に広げ、2011年4月の中国拠点の稼働をはじめとして、IT業務やコールセンターのシェアードサービスを随時展開していく。システム開発は、東芝ソリューション(Tsol)と東芝インフォメーションシステムズが行った。Tsolは、今回のクラウド構築で培ったノウハウをもとに、東芝向けクラウドサービスの内容をパブリッククラウド化し、新たなユーザー向けのサービスモデルを展開していく。
東芝グループは、2008年よりワールドワイドの東芝グループIT戦略に基づいてシステムのクラウド化を開始し、昨年10月に国内の227社がクラウド環境に完全移行した。
国内で管理しているサーバーをデータセンターの仮想環境に統合し、サーバーの台数を約4%に削減した。台数の削減に加え、運用面で業務を定型化・自動化したことによる運用効率の向上により、今年度約60億円のコスト削減効果を得たとしている。
社内の業務システムをグループ内で共通化し、Tsolの人事・給与システム「ジェネラリスト」をSaaSで提供、グループの約8割が同サービスを利用している。このほかにも、BIツールや調達システムをクラウドサービスとして提供している。
メールとグループウェア環境も刷新した。旧来のシステムは、ワールドワイドで情報共有できる環境ではなかったため、マイクロソフトのアウトルックとシェアポイント・サーバーでグループのメールシステムを構築してクラウドサービスとして提供、3月までに国内の8万人が新環境に移行する。
開発業務関連のシステムでは、サーバーリソースを時間貸しで提供するハイパフォーマンスコンピューティングサービスや、環境負荷物質管理などの専門的な業務をシェアードサービスとして提供している。
今後東芝は、「グローバルITシェアード構想」のもと、海外グループ会社315社のシステムのクラウド化を進めていく。Tsolなどが中心となってグローバルネットワークインフラを統合・整備するとともに、中国のグローバルコードセンターをはじめ、アジアにITシェアードサービスセンターを構築し、BPO利用領域を拡大する。
また、SCMシステムやPLM(製品ライフサイクルマネジメント)システムといったグローバルの製造系システムに関しても、クラウド展開する予定となっている。
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