豊島区が仮想環境でシステム共通基盤を構築
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東京都豊島区は、2014年12月の新庁舎竣工のタイミングに合せて、情報システムをオープンシステムに刷新する。総務省が提唱している共通仕様に基づき、まず基幹システムの共通基盤を今年度に開発する。共通基盤は仮想化を活用したシステムで構築し、開発ベンダーである富士通のデータセンターにアウトソースすることで運用コストを削減する。豊島区は、来年1月の本稼働後の評価および現在各地で進行している自治体クラウドの実証実験の結果を踏まえ、さらなる仮想化技術の採用およびクラウドコンピューティングの利用を検討するとしている。
豊島区は、財政の問題からここ10年程度情報システムの投資を抑えていたが、再開発事業に伴う新庁舎の移転や財政面の好転、区民サービス向上などの要因から、システムも刷新することが決定している。
旧来のメインフレームからオープンプラットフォームに移行するにあたり、各業務システムでデータを共通利用するためのベースになるシステム共通基盤を採用する。
自治体の調達は、現在分割発注が主流となっており、今回共通基盤システムの部分を富士通が1億円で受注した。共通基盤システムの構築期間は1年半で、来年1月に本稼働する予定になっている。
システム共通基盤は、総務省の外郭団体である全国地域情報化推進協会(APPLIC)が管理している「地域情報プラットフォーム標準仕様」に準拠したもので、同基盤をシステムに採用することで、他のシステムとの連携の際や後からシステムを追加する際に、低コストで開発できるようになる。
富士通は、基幹IAサーバー「プライムクエスト1000シリーズ」2台と仮想化ソフト「VMウェアvスフィア」によって、システム共通基盤を構築する。構成するシステムは「連携基盤」「共通情報管理システム」「統合運用管理システム」「共通外字システム」「共通EUCシステム」の5種類で、業務の負荷にあわせて仮想システムを自動的に移動する仕組みとなる。
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