メーカー3社が自治体業務でベンダー間のデータ連携に成功

07 3/26

 日立製作所、NEC、富士通の3社は、自治体業務のスムーズなデータ連携を目指したシステムの結合試験でマルチベンダー間のデータ連携に成功した。現在検討中の自治体間のネットワークを可能にする「地域情報プラットフォーム」の標準仕様案を採用して検証したもので、問題なく実施できたことで、複数の申請や手続きを1カ所で可能にするワンストップサービスの実現に近づいたことになる。3社は今後、検証結果をそれぞれのデータ通信基盤ソフトに反映していくとともに、地域情報プラットフォームの標準化作業に取り組んでいくとしている。

  この試験は、自治体内外における多数の情報システムをオープンに連結する基盤構築などを推進する全国地域情報化推進協会(APPLIC)が進めている「地域情報プラットフォーム」に沿ったもの。
  この地域情報プラットフォームは、SOAの考えをもとに標準化を進めており、モジュール化された業務アプリケーションの機能やデータ仕様、業務アプリケーションそのものを連携する基盤となる。特に、自治体や学校、病院など公共性の高い機関や企業などを全国規模で連携させることを目指している。
  今回の実験は、メーカー3社が共同で昨年10月から今年2月まで検証を行い、地域情報プラットフォームの標準となるSOAPメッセージ、XMLに準拠したSOAP通信、Webサービスを記述するWSDLインターフェース定義が問題なく稼働するかを確認した。
  各社が使用した基盤ソフトは、日立はコズミネクサス、NECはWebOTX、富士通はインターステージで、その上に業務プログラムを稼働させている。
  それをもとに、ドキュメントとプログラムやデータの数値などをSOAP通信できること、同期型SOAP通信ができること、日本語タグを含むXML電文を送受信できることの3点を中心に実証を確認している。
  今回はあくまでもメーカー3社のデータ通信基盤ソフトが対象だったが、全国的な公共ネットワークを構築するには、地域情報プラットフォームの標準化が進み、各種の基盤ソフトやアプリケーションにその技術を実装できることが条件になる。自治体ではマルチベンダー環境が当り前になっており、3社以外のベンダーによる実証も必要になるようだ。


   全国地域情報化推進協会(APPLIC)    URL:http://www.applic.or.jp/

   日立製作所 URL:http://www.hitachi.co.jp/
   NEC     URL:http://www.nec.co.jp/
   富士通    URL:http://jp.fujitsu.com/