さくらインターネットが次世代型クラウドデータセンターを石狩市に建設
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さくらインターネットは、北海道石狩市にクラウドコンピューティングに最適化した大規模データセンター(DC)を建設する。同センターには、ネットコンピューティングアライアンス(NCA)内のプロジェクトである「北海道GEDC(グリーンエナジーデータセンター)推進フォーラム」が研究してきたグリーンDC技術が適用される。石狩市の低温外気を活用して機器を冷却し、エネルギー効率を向上させるほか、サーバーからの排熱を事務所の暖房に利用するなどの新しい技術が採用されており、クラウド時代の新世代DCモデルとして注目が集まる。
さくらインターネットが建設するDCは、敷地面積が5万1448u、2011年秋に第1棟が竣工となり、500ラックでサービスを開始する予定となっている。同センターは最大8棟まで増築可能な拡張方式を採用しており、最大でラック数が4千、60万台以上のサーバーが稼働する国内最大級センターとなる。
NCAは、北海道GEDC推進フォーラムプロジェクトとして、電気通信大学と東京理科大学の支援のもと、寒冷な気候を活用して、データセンターの大きなエネルギー消費分野である冷房部分をグリーン化することで世界で最も消費電力効率を実現する「超低消費電力データセンター技術」について3年前より研究を実施してきた。
今回、同技術を使ったDC開発案件として、同フォーラムにオブザーバーとして参加している北海道と石狩市がさくらインターネットを誘致し、研究中の環境技術が実際のDC建設に適用される初の案件が誕生した。
コスト面では、北海道の冷気を使用した冷却効率の向上による電力コストの削減効果に加え、土地賃貸料も東京23区内にデータセンターを建設した場合と比較して半分以下に抑えられる。
これまで日本のデータセンターは、多様なサービス用途を想定して建設していたため、設備面で割高となり、クラウドサービスの分野ではサービスに特化したデータセンターを持つアマゾンやグーグルに水をあけられている要因となっている。
今回建設するデータセンターモデルではサービス利用料を抑えられ、クラウドコンピューティングにおいて日本のITインフラコストを低減させることが可能になるとしている。