富士通がHEMSの通信データを一括管理するソフトを開発

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 富士通は、住宅や店舗のエネルギー管理システム(HEMS)を構築する際に、エネルギー機器のネットワーク制御を簡単な操作で行えるソフト「SSPF(スマートセンシングプラットフォーム)V01」を開発した。SSPF01は、太陽光発電やスマート家電などマルチベンダー機器やネットワーク規格の違いを吸収し、インターネットを通じてそれらのデバイスが収集したデータを外部から一括操作できるようにするハブの役割を提供する。今後の普及が予測されるスマートハウスやスマートコミュニティ市場で、システムおよびサービス開発の効率化が期待できる。

 エネルギー不足という昨今の市場背景から、家や地域ごとにエネルギーを管理し、効率的に利用するコンセプトのスマートハウスやスマートコミュニティに注目が集まっている。
 スマートハウスを構成する要素には、住宅に設置するスマートメーターをはじめ、太陽光発電、燃料電池、蓄電池、家電、住宅内設備、自動車などのさまざまな機器が存在するが、基本的にベンダーや領域ごとに、通信の仕様は異なる。
 SSPFは、マルチベンダー機器の差異を吸収するソフト群で、国内のスマートコミュニティの推進組織であるジャパン・スマート・コミュニティ・アライアンス(JSCA)をはじめ、エコーネットなど各分野の代表的な通信規格に標準対応し、それ以外の個別仕様もその都度バンドルする仕様になっている。新しい製品や仕様に対しては、プラグアンドプレイに対応する実行基盤の採用により、必要な機能をモジュール追加して対応できる。
 これにより、スマートハウスやスマートコミュニティを構成する機器やホームネットワーク、インターネットなどの広域ネットワークなどの通信規格を、SSPFを通じて一括処理することができる。

    さらに富士通独自開発の正規化アーキテクチャーで、各機器の制御情報や温度や熱などの情報を一般的なデータに変換し、インターネットを通じて遠隔からのデータ収集が可能となることで、機器が混在するマルチベンダー環境でもエアコンの温度制御などのHEMSや、太陽電池・蓄電池の遠隔保守などのスマートエネルギー関連システムを効率的に開発し、サービスを提供できるようになる。

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