組込みソフトの品質管理で新団体設立
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組込みソフト開発のトレーサビリティ対応による競争力向上を目指す新団体「TERAS(ツール・エンバイアメント・フォー・リライアブル・アンド・アカウンタブル・ソフトウェア)」が設立された。ソフトウェア品質監査の一環としてのトレーサビリティ技術に着目し、正しい製品が正しい方法でつくられることの説明責任を果たすための標準的なオープンツールプラットフォームを構築、製造業の国際競争力向上を産官学で目指す。理事長には、情報処理推進機構(IPA)ソフトウェアエンジニアリングセンター(SEC)前所長の鶴保征城氏が就任した。
10月5日、東京・品川の東京コンファレンスセンター品川で開催された設立発表会では鶴保理事長があいさつに立ち、TERAS設立の意義について「製造物の安全に対する説明責任が問われる中、ソフトについても同様の傾向にあり、その課題を解決するべく設立された」と説明した。
主に、製造責任が問われる立場にある製造業の組込みソフトの開発が対象となり、例えば製造物に事故が起きた場合、その原因がソフト開発にあるかどうかを明確にするために、ソフト開発にトレーサビリティ技術を導入する。
TERASで開発する「オープンツールプラットフォーム」には、基本機能としてトレーサビリティ管理機能や定量的計測機能、アクセス認証機能、ユーザーアカウント管理機能、アクセスログ機能、更に形式手法や構成管理、バージョン管理といったユーザー企業が利用するプラグインツールとの連携を行う標準インターフェースが用意される。
これらは、クラウド形式で提供され、トレーサビリティを支援するために第三者による品質監査制度を整える。この制度は、産業構造審議会でその必要性が示され、現在情報処理推進機構(IPA)ソフトウェアエンジニアリングセンター(SEC)で制定に向けて検討されている。
また、日本の製造業の競争力向上を目指す観点から、日本の製造の強みである摺り合わせ型開発に着目、仕様書から受注者が情報を補いながら実装する摺り合わせ型開発を支援するためにも、トレーサビリティ技術が有効になるとしている。
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