データセンターに初の業界団体「JDCC」が誕生
08 12/15データセンター事業者および関連事業者などは、「日本データセンター協会(ジャパン・データ・センター・カウンシル=JDCC)」を設立した。データセンター事業者による業界団体は同協会が初で、当面150社程度の参加を見込む。サービス事業者、サーバーおよびネットワーク機器メーカーやファシリティ関連の建設事業者、空調機器メーカーなどの企業と学識経験者が協力して情報共有、技術開発、共同研究などの活動を行い、環境問題を始めとする各種課題に対応していく。さらに経済産業省とも連携し、政策立案にあたっての提言も行う予定としている。
インターネットの普及によって情報量が爆発的に増加するなか、ITユーザーの利用トレンドは、アプリケーションやハードを手元に所有せず、セキュリティ対策から運用までをアウトソーシングする「クラウドコンピューティング」の方向に向かっている。
その結果、今後データセンターの需要ならびに重要性はますます増大していくことが予測されるが、その裏でデータセンターには発熱による環境対策の遅れや、ユーザーから見てどの事業者を利用すればいいのかを判断する術がないなど、業界としての成熟度が需要に追いついていないという現状にある。
そこでデータセンター関連企業が中心となり、企業の枠を超えた連携を行うことを目的に、グリーンITを推進する経産省の後押しも受けてJDCCの設立に至った。
具体的な活動として、IT立国としての国際的な競争力を獲得するための取組みや、東京都が2010年に導入を検討しているCO2総量削減を義務付ける排出用取引制度に対する意見の提出、国内のデータセンターのサービス品質を格付けする統一評価指標「J-Tier(仮称)」の制定などを予定している。
また、データセンターの省エネ化についてグリーンIT推進協議会と協力するほか、インターネット協会と共同で、インターネットの安全利用と組み合せたイベントなどによるデータセンターの社会的認知活動を実施するなど、関連団体と連携した活動も予定している。
理事長に、兵庫県立大学の白川功教授が就任した。参加企業はアット東京、インターネットイニシアティブ、鹿島建設、新日鉄ソリューションズ、東京電力、NEC、日立製作所、富士通、ヤフーなど21社で、事務局はソフトバンクIDCが務める。
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