日立が1台のPCサーバーで複数の仮想化ソフトを動作させる技術を開発
12 9/24
日立製作所は、1台のPCサーバー上で複数のサーバー仮想化ソフトを動作させる技術を開発した。1つのシステムを複数企業のシステムやアプリで共有するマルチテナントのクラウド環境において、複数のサーバー仮想化ソフトを動作させることができるため、効率の良いクラウドシステムを構築できる。同技術は、レッドハットの協力のもと、日立のブレードサーバーに、レッドハットのLinuxを搭載したクラウドコンピューティング向けのサーバー仮想化ソリューションとして提供する。
今回日立は、同社のブレードサーバー「ブレードシンフォニー」に搭載されているサーバー論理分割機構「バタージュ」の機能を拡張して、論理的に分割したサーバーの区画(LPAR)の上で複数のサーバー仮想化ソフトを安定的に動作させる技術を開発した。
さらにレッドハットの協力のもとで、バタージュにおいて、レッドハット・エンタープライズLinuxの標準の仮想化サーバーソフト(RHELKVM)が複数動作することを検証した。
これによりシステムが高集積化し、システム基盤の省スペース化や省電力化を実現する。具体的には、1台のサーバーに複数部門の仮想サーバーが混在するケースなど、クラウドサービスにおいて複数のテナント向けにサービスを提供する際に懸念される隣接部分の負荷変動に伴う性能の低下や、災害発生時の独立性の確保といった課題が解決できる。
さらに、RHELKVM環境に割り当てるサーバーリソースをバタージュによって任意のサイズに設定できることから、RHELKVMによるサーバー仮想化環境をユーザーの希望するサイズで提供するといった従来にない形のクラウドサービスの提供が可能になるとしている。
検証の結果を受けて日立は、ハイエンドブレードサーバーの「ブレードシンフォニーBS2000」の標準サーバーブレードにRHELKVMの動作認証取得版のバタージュを搭載し、サーバー仮想化ソリューションとして発売した。