農業向けクラウドサービスが加速
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富士通とNECが、農業分野向けのクラウドサービスを相次いで発表した。富士通は、大規模農業法人および自治体、食品加工、卸、外食などの企業向けに、農業経営の効率化に軸足を置いたクラウドサービスを開始した。一方、NECは温室用温風暖房機のネポン及び全国農業協同組合連合会(JA全農)と協業し、センサーを活用して施設園芸の生産性向上を実現する農業の現場に近いクラウドサービスを開始している。大手ITメーカー2社がサービスを本格展開し、農業のIT化をアプローチしていく。
農林水産省の調査によると、2009年度における農業の国内生産額は9.5兆円で、ピークの1990年度の13.7兆円から市場は大幅に落ち込んでいる。このほかに、自給率の低さ、個別保障制度や担い手不足といった多くの問題を抱えている。
一方で、農地法改正による企業の農業参入や若者の新規参入という農業が変革する要素も生れている。生産から加工、販売まで行う第6次農業という概念も広がり、温室やハウスを使った施設園芸の市場が伸びるなど、新しい取り組みも行われている状況だ。
こういったなかNECは、温室やハウスを使った施設園芸における品質向上および効率化のためのソリューションを開発し、JA全農と組んで販売を開始した。
M2M技術を活用して農地のセンサーデータをネットワーク経由で集める同社の「CONNEXIVE(コネクシブ)農業ICTソリューション」とネポンのクラウド対応型温室用暖房機、栽培環境モニタリングセンサーなどを活用した「農業ICTクラウドサービス」を提供する。
富士通は、大規模農家の農業経営を高度化するクラウドサービス「Akisai(秋彩)」を開始する。第一弾として、10月より農業法人食関連企業向けの調達を支援する「農業生産管理SaaS」と、情報活用を支援する「イノベーション支援サービス」を開始する。