日本ユニシスがタクシー事業者向けクラウドサービスを開始
11 12/5
日本ユニシスは、スマートフォンを利用したクラウド型タクシー配車システム「スマートタクシー」を開発し、タクシー事業者向けにサービスを開始した。通常の配車管理システムで利用されているタクシー無線を、携帯電話回線と市販のアンドロイド搭載のスマートフォンを利用して行う。アンテナや車輌に搭載する無線送受信機、カーナビ専用機が不要となり、配車システムもクラウド型サービスを利用するため低コストで導入できる。すでに実証実験を経て、タクシー業界大手のkmホールディングスがスマートタクシーの利用を開始している。
スマートタクシーは、タクシーの利用者とタクシー車輌、配車センターを結ぶ配車システムで、タクシーに搭載したスマ
ートフォンから取得したGPS情報がリアルタイムで配車センターに送信され、車輌の位置情報が配車センターのPC画面に表示される。利用者が専用アプリでタクシーを呼ぶと、オペレーターがタクシーを呼んだ利用者に一番近い車輌を自動で配車することができる。
現在タクシー業界では、配車管理システムに専用のタクシー無線を利用しているが、タクシー無線は2016年にデジタルに完全移行することが決定しており、移行に際して新たな設備投資が必要という状況にある。
スマートタクシーは、携帯電話回線とスマートフォンを利用することで、専用機器が不要になり、デジタル無線の導入に比べ3割安く導入できる。さらに、無線の不感地帯が少なくなるほか、広域エリアでの利用が可能となり、独自に配車センターを抱えずに業務を外部委託できるといったメリットも得られる。
第一号ユーザーとしてケイエム国際タクシーが実用化検証を実施し、現在は横浜エリアでアナログ無線との併用を開始している。スマートフォンを使ったタクシーの配車システムはいくつかあるが、「利用者とタクシー、配車管理の一貫したクラウド型サービスは今回が初」(日本ユニシス広報部)となっている。
クラウドサービスの対応機種はアンドロイド端末のみで、後日提供する利用者向けのアプリは、アンドロイドとiPhone向けにそれぞれ開発する予定としている。
日本ユニシスは、既存のサービスである「無事故プログラムDR(ドライブレコーダー)」や電気自動車向けの充電インフラシステムサービス「スマート・オアシス」との連携も含め、今後タクシー業界向けのクラウドサービスメニューを拡充していく。
関連サイト