大和総研HD、新日鉄ソリューションズ、パナソニック電工インフォメーションシステムズがクラウド分野で技術同盟

10 10/11

 大和総研ホールディングスと新日鉄ソリューションズ(NSSOL)、パナソニック電工インフォメーションシステムズ(パナソニック電工IS)の3社は、ユーザー系IT企業の視点からクラウドコンピューティング技術の標準化について共同研究する技術グループを立ち上げた。大和総研HDを中心に、大和證券にITサービスを提供しているユーザー系SI会社のNSSOLとパナソニック電工ISが参画して実現した「クラウド同盟」(大和総研HD深井嵩史社長)で、今後他のユーザー系IT企業の参加を募り、技術検証や分散化システムの標準化を進める。

 今回3社が立ち上げたグループは、ビジネスの利益を追求するためのアライアンスではなく、「クラウドをエンドユーザーが求める技術にする」(パナソニック電工IS前川社長)という考えを前面に押し出し、利用者のニーズを追求する活動を展開する。
 現状では「基幹系システムへのクラウド適用は効果が期待できるが、1社で実現するのは難しい」(深井社長)としており、大和総研グループの仮想化関連の技術、NSSOLが提供するクラウドインフラサービス「アブソンヌ」などで実施している技術検証力、パナソニック電工ISの運用技術などを組み合わせて基幹系分散システムの利用効率向上を検証していく。
 同グループ内に複数のワーキンググループを発足して、サーバー、ストレージ、ネットワーク機器、仮想化ソフト、運用管理ソフト、データベース管理ソフト、OSといったプロダクトやクラウド機材を検証し、ユーザーごとにばらばらであった分散インフラの標準化を推進するとしている。
現在の企業ITの環境は、「分散環境のあちらこちらで5年ごとに保守切れしたシステムを開発している」(深井社長)という非効率な状態となっているが、技術を標準化することで、保守サービス面でも大幅なコスト削減が期待できるとしている。

 

 同アライアンスは3社による閉じた環境にはせず、他のユーザー系ITベンダーの参加を募る。これにより、現在普及のさなかにあるクラウドという新技術が、「プライベートクラウドという名のもとで特定ベンダーによる技術的な囲い込みとならないようにけん制する」(前川社長)という狙いもある。

大和総研ホールディングス

新日鉄ソリューションズ

パナソニック電工インフォメーションシステムズ