BSNアイネットと北陸コンピュータ・サービスが地域SI会社間でBCP連携

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 新潟県のBSNアイネットと、富山県および石川県に本社を置く北陸コンピュータ・サービスは、一方のデータセンター(DC)が大規模災害で被災しても、インターネットを通じてもう一方のDCで、短時間でシステムを復旧させることができる災害対策(IT―BCP)サービスを開始した。双方のDCに同じクラウド基盤を構築して仮想マシンを相互でレプリケーションし、災害時にデータセンターがダウンした際には異なるサイトでシステムを迅速に復旧させる。今後、国内の電力会社域内の独立系SI会社との間で、同様の提携を広げていく考えだ。

 

 昨年発生した東日本大震災で、DCの設備が堅ろうでも、周囲のインフラ状況によってITサービスの提供には限界があることが明らかとなった。
 そこで今回、BSNアイネットと北陸コンピュータ・サービスは、双方のDCに同じクラウド環境を構築し、連携させることで災害や計画停電に備えるサービスを開発した。
 2社のDCが設置されている新潟と富山は、日本海沿いの隣り合った県ながら約200キロ離れており、東北電力と北陸電力という異なる電力会社のサービスエリアに属していることから、電力需給の問題にも対応できる。
 これまで両社ともにクラウドサービスを実施してきたが、これとは別に新たに双方のDCにおいてサービスレベルから機器構成、ソフトのバージョンまでを揃えた環境を構築し、協力して人材教育も行った。
 クラウド基盤は、VMウェアの「vスフィア5」を用いて構築し、ディザスター・リカバリー(DR)製品の「vセンター・サイト・リカバリー・マネージャー5」とネットアップのストレージシステム「スナップ・ミラー」を連動させることで、センター間での復旧テストや計画的移行、災害時移行の各ステップを自動化している。
 DC間のネットワークは、F5ネットワークスジャパンの「BIG IP WANオプティマイゼーション・マネージャー」で接続し、通信を管理している。
 これにより、手作業を必要とする局面が少なくなって人的なミスが減り、切替え作業が迅速化される。障害復旧までの時間は、通常の3分の1から半分にまで短縮される。

 今後も地域電力会社7社の管内ごとに、DCを所有する独立系SI会社1社ずつと連携していく計画で、年内に2社との提携を目指している。

BSNアイネット

北陸コンピュータ・サービス