NECが人工知能ソフト発売
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NECは、自動でデータの傾向を学習する人工知能(AI)ソフト「NECアドバンスト・アナリティクス―RAPID機械学習V1・1」を発売した。事前に手本となるデータを読み込むことで、自動で傾向を学習する。メモリーに読み込むデータ量を圧縮することで、省リソースで高速処理を実現した。製品は、カメラ画像からの不審者の自動検出など高精度な画像認識を実現する「画像解析版」と、求職者の適性にあった求人企業の紹介など効果的なマッチングを実現する「人材マッチング版」の2種類のソフトを提供する。
デジタル環境に蓄積されているビッグデータ活用を現実化していくなかで、膨大な画像・テキストなどの非構造化データの取り扱いがひとつの鍵となる。それらのデータを人間のように認識・理解するために、専門的な判断や推論が必要な画像認識やマッチングなどを可能にするAI技術として「ディープラーニング技術」が登場している。
従来の機械学習技術は、分析専門家がデータの着眼点を設定し、傾向を繰り返し学習させることで、傾向を記憶させるものであったのに対し、アドバンス・アナリティクスはそのディープラーニング技術を活用、手本となるデータから着眼点を自動で設定し、簡単にデータの分類や検知、推薦などの高精度な判断を実現する。
また、機械学習システムの導入には大量のデータを学習するために、膨大なメモリーやCPUが必要であるのに対し、NEC北米研究所の独自技術により、メモリーに読み込むデータ量を圧縮し、省リソースで高速なデータ分析処理を実現した。これにより、従来十数台のサーバが必要であった機械学習システムを、1台のサーバで導入可能としている。
画像解析製品ではカメラで撮影した画像を学習させることにより、検出したいシーンを高精度で判別・検知し、交通監視、店舗内監視、工場の検品などの画像分析を活用する業務への適用を見込む。
人材マッチング製品では、エントリーシートや企業の人事データから、求職者と求人企業の関係性を学習し、求職者に適した求人企業の紹介、企業には求人条件に適した人材の探索を支援する。
また、データ分析の有用性を確認するために、検証評価用に短期利用ライセンスを用意している。これにより、実業務に利用・蓄積しているデータを活用して、予測精度や社内環境への導入方法などを検証できる。年間ライセンスも用意しており、スモールスタートも可能となっている。