DNP、3Dプリンターに規制技術
14 6/2
大日本印刷(DNP)は、急速に普及し始めた3Dプリンターにおいて、銃器などの危険物や、版権を持つキャラクターなどの著作権侵害の恐れがあるものを開発できないようにするためのセキュリティプログラムを開発した。ブラックリスト方式で、出力前の3Dデータが法的な認可や許諾が必要な製品でないかを高速で判断し、違法なものと認められた場合はプリンターの動作を止める。今後DNPは、3DCADソフトや情報セキュリティ関連の事業者と連携し、プログラムの有効性を検証し、実用化に向けた取組みを進めていくとしている。
3Dプリンターは、次世代のものづくりをけん引するテクノロジーとして注目を集め、現在では家電量販店で購入できるほどの安価な製品も登場するほど一般にも普及している。樹脂製という前提はあるものの、あらゆるものを簡単に作ることができる。
3Dプリンターは、3次元のCADデータやCGデータを、三角面の集合で立体化したポリゴンデータ形式に変換したデータで受け取ったのち、積層構造のデータ形式に再構成して製造する仕組みとなっている。
現在、インターネットのサイトで、さまざまな3Dプリンターの製造用のデータが公開されており、それらを使えば自ら3Dデータを作成しなくても、簡単に立体物が作成できる。海外のサイトでさまざまなデータがアップロードされており、法律の問題もあって取り締まりは難しい状況にある。実際に国内でも、銃器を製造して銃を撃つ様子を動画サイトにアップロードした大学職員が逮捕されるという事件も起きている。
DNPが開発した技術は、独自のアルゴリズムでプリント用に変換された3Dデータを簡素化し、ブラックリストのデータベースと高速で照合、法的な認可が必要な危険物やキャラクター製品、ブランド製品などの製造を、プリンター側で止めるものとなっている。
ブラックリストのデータベースは随時情報を追加可能で、Webでダウンロードした3Dプリンター出力用データに、多少の改変やアングル変更などを施したデータでも、リストと照合して製造を止めることができる。また、実物を3Dスキャナーで読み取って独自に作成した3Dデータも、リストと照合できるとしている。
DNPでは、関連事業者と連携して実用化を進めていく。