総務省が次世代情報セキュリティの研究会を設置
07 11/5
総務省は、利用者が安心・安全に情報を活用できるネットワーク社会の創出を図るため、より具体的にネットの脅威を洗い出し、対策などを展開する専門研究会「次世代の情報セキュリティ政策に関する研究会」を立ち上げた。来年6月までに9回の研究会を開催し、課題や対策を抽出すると共に、総務省として取り組むべきセキュリティ政策の在り方を検討する。ネットワークの脅威はネット固有のものから、実社会で発生している犯罪がネットに流れるなど多様化している。こうした脅威を予測し、新たな施策として展開する考えを示した。
これまで情報セキュリティ対策としてネットワーク関連やIT障害対策などの施策が展開されてきたが、脅威の進化の速さや新たな手口の出現など変化が激しく、内容も巧妙化・悪質化しており、対策は見直しが必要となっている。
今回の研究会は、そうした新たな変化を予測し、社会基盤になっているITの障害を未然に防止すると共に、ネットワーク利用者の安心と安全を確保する対策を検討していくことになる。
中でも通信基盤となる次世代ネットワーク(NGN)やIPv6、モバイルコンピューティング、情報家電などの新たなネットワークおよびサービス環境が進んでいくことから、今後実施すべきセキュリティ対策の整理を行う。
研究会の作業としては、まず現状のインターネットなどにおける具体的な脅威を洗い出し、その脅威に起因するインシデント(事故)の最近の動向と傾向を明らかにする。そして、NGNなど将来のネットワーク環境における脅威分析と課題抽出、今後取組みが求められる情報セキュリティ政策の方向性を議論していく。そこでは「国内だけでなく国際連携を前提に検討していく必要がある」としている。
研究会は今年6月までに具体的なテーマを決めて計9回の会合を開き、来年3月には中間とりまとめを、6月には報告書をまとめる考えだ。
参加メンバーは、東京大学や京都大学、東京電機大などのアカデミー、NTTドコモやKDDIなど大手キャリア、NECビッグローブなどISP、三菱電機や日立製作所、日本IBMなどメーカー、そしてトレンドマイクロ、ラックといったセキュリティベンダーなど専門家28名で構成している。
総務省の報道資料 http://www.soumu.go.jp/s-news/2007/071018_1.html