総務省が来年度の政策大綱を公表

07 9/10

  総務省は、ICT(情報通信技術)産業の国際競争力強化や利活用の促進によるユビキタスネット社会の実現を促す2008年度のICT政策大綱概要を明らかにした。主要政策パッケージ3項目をベースにしたもので、産業全体のレベルアップに加え、「情報通信に係る国際戦略体制の抜本的強化」を図るために省内に「情報通信国際戦略局(仮称)」を新設して統合政策の推進を強化する考えを示した。今年4月に策定した「ICT改革促進プログラム」に基づいてこれらを具体化するもので、ICT利活用の基盤強化による経済成長を促す考えだ。

  来年度に実施するICT政策大綱は、「国際競争力の強化」「ICT分野の構造改革」「u-Japan政策による地域活性化」の3点を対外施策とし、「情報通信に係る国際戦略体制の抜本的強化」を推進すべく庁内の体制強化を進める。
  まず、国際競争力の強化では、新世代ネットワーク技術の開発やユビキタス・プラットフォーム技術の開発などを行う「ジャパン・イニシアティブ・プロジェクト」の推進を含めた「ICT国際競争力強化プログラムの推進」を掲げた。
  また、世界最先端のICTサービスの開発と実証を行う「ユビキタス特区の創設・推進」に加え、ASPICジャパンとの協調によるASP・SaaSの普及促進を図る環境整備を含めた「生産性向上のためのICT共有基盤整備」、コンテンツ流通を促進させる「ソフトパワーの強化」を挙げている。
  一方、u-Japan政策による地域活性化では、まずユビキタス・ネットワーク基盤の整備、利用環境の整備、国内でデジタルディバイド(情報格差)を解消するICT基盤の整備といったu-Japan政策の進捗(ちょく)を具体的な項目で実現していく。
  特に、インターネットの脅威に対する安心・安全の確保のために、セキュリティ脅威への対処策やIPv6への転換促進、迷惑メールへの対策、教育現場への啓発などを強調するとともに、ICT利活用の高度化による社会システム改革を見越したテレワーク人口の倍増、災害情報通信システムなど技術戦略の推進にも訴求していくことになる。こうした政策を実現するために来年度の概算要求に各項目を盛り込んでいる。

pdfアイコン平成20年度ICT政策大綱

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