総務省が自治体のITガバナンス強化にガイドを公表
07 7/23
総務省は、電子自治体の実現に欠かせない団体のIT統制を強化する「地方公共団体におけるITガバナンスの強化ガイド」を公表した。自治体のITガバナンス強化を支援するため、今年3月に策定した「新電子自治体推進指針」を補足するとともに、ITガバナンスの意味や取り組むべき6分野9項目、4段階による取組み、23項目の強化ポイントを事例なども含めて解説したもの。特にCIO(情報担当責任者)を中心とした推進体制やPDCAサイクルの確立など具体的な対策を掲げることで電子自治体の実現を支援している。
地方公共団体にITガバナンスが求められるのは、地方分権や財政構造の変化、住民要望の高度化など自治体を取巻く環境が変化している中、住民サービスの強化を含めた様々な状況に対応していくにはITの利活用が欠かせず、そのITを十分に生かす基盤が整っていないことにある。
電子自治体への転換が行われている現在、IT基盤をどのように構築し、運用するかを組織的に統制(コントロール)するための取組みを今回の強化ガイドとして明確にした。
まずITガバナンスの意義を改めて喚起するとともに、ITガバナンスを強化するために必要な方策を6分野、9項目にまとめ、対応レベルを4段階に整理している。
具体的に見ると6分野は、「基本戦略」「推進体制」「予算・実施計画・評価」「調達・開発・運用」「情報セキュリティ」「標準化・知識共有・人材育成」とし、これらを9項目の取組み事項に細分し具体的な取組みを示した。
また、IT統制の実現には段階的な強化が必要なことから、レベル1の「未整備段階」、レベル2「導入段階」、レベル3「機能段階」、レベル4「発展段階」として水準を決めた。そして次段階への目標設定の参考となる「ITガバナンスレベルシート」を用意することでレベルアップを促している。
さらに、主にレベル2からレベル3または4に引き上げる場合の参考として6分野で23項目のポイントをあげ、実績のある自治体の事例や文献を紹介している。
総務省では、この強化ガイドを参考に「各自治体の情報化の実情に応じたITガバナンスの強化に取り組んでほしい」としている。