日立ソリューションズ、個人データの安全活用支援
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日立ソリューションズはこのほど、企業が収集・蓄積している個人に関する情報(パーソナルデータ)の安全な活用を支援する「プライバシー情報匿名化ソリューション」を提供開始した。これにより企業は、プライバシー侵害のリスク評価に応じて、ビッグデータの中で価値があると考えられるパーソナルデータの利用価値を保持したまま、高い匿名性を実現できるようになり、新ビジネスの創出や社会課題の解決にデータを積極的に活用することが可能となる。
このソリューションは、パーソナルデータから個人が識別されるリスクなどを評価する支援サービスと、日立製作所が開発した独自技術(k―匿名化技術)に基づくデータ匿名化ソフトウェアを提供することで、企業のパーソナルデータの安全な活用を支援する。
企業が保有するビッグデータの中からパーソナルデータを匿名化することで、これまで困難だった企業間のデータ共有が行いやすくなる。例えば、商品メーカーが、小売量販店で蓄積された販売実績データだけでなく、購入者に関するさまざまな属性情報も併せて入手することで、新たな商品やサービスの開発、マーケティングに利用できるようになり、競争力強化につなげることができる。
2015年9月に成立した改正個人情報保護法の「匿名加工情報」規定により、企業はパーソナルデータを個人が特定されないようにデータ加工処理し柔軟に活用できるようになった。17年9月の施行に向けて、企業はパーソナルデータの利活用の取組みを活発化すると予想されるが、こうしたデータ活用では、匿名化されたデータから個人が再識別されることによるプライバシー侵害のリスクが課題。氏名など一部の情報を削除する単純なマスキングよりも高度な匿名化技術が必要になっていた。
新ソリューションは、パーソナルデータ活用によるプライバシー侵害のリスクを評価し、リスクに応じて匿名化の要件の整理や匿名加工情報の取扱いなど、パーソナルデータの運用リスク低減策を提供する。
また、日立製作所が開発した独自技術に基づくk―匿名化を採用したソフトにより匿名性を確保しつつ分析に必要な情報を残すことができることから、高い精度でのデータ分析が可能となるほか、分散処理技術Hadoopの採用によりデータ量に応じた高速処理を実現する。