ソニービジネスソリューション、広域・群衆監視で個人認証
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ソニービジネスソリューション(ソニーBS)はこのほど、複数の広域撮影用カメラ映像を用いた群衆監視で、映像内の個人認証を可能にする「低解像度対応顔認証ソリューション」を開発した。協力関係にあるNECの顔認証ソリューションをベースに、ソニーBSがスタジアムなどで実施してきた実証実験から得られた独自のノウハウを踏まえ開発したもので、従来の半分程度の低解像度映像でも個人認証が可能。ビジネスショーなどへの紹介展示を経て8月から販売する。
東京オリンピック・パラリンピックへ向けて、国際的なスポーツ競技などが数多く予定され、スタジアムや競技場などのセキュリティ強化が急務となる中、顔認証ソリューションが採用されるケースも出始めている。
従来の顔認証ソリューションでは、入場許可者と不許可者の区別のための人物の映像において目間(めかん)と呼ばれる目と目の間の距離で70ピクセルから100ピクセルの解像度が必要だった。このため、顔画像による個人認証には、会場の入場ゲートなどに専用のカメラを設置し、入場者1人ずつ順番に撮影を行っていた。
ソニーBSの顔認証ソリューションは、目間が従来の約半分程度の低解像度映像でも個人認証を実現するため、顔認証専用のカメラではなく、通常設置されている広域撮影用の監視カメラ映像をそのまま用いて迅速に個人認証ができる。認識したカメラによってエリアの追跡も可能になる。
また、1台の顔認証サーバーで複数台のカメラに対応できるため、監視対象エリアの中から検知したい人物(いわゆる注意人物)の候補者をピックアップするといった使い方もできる。
今後、広域・群衆監視内での個人認証という機能を生かし、スタジアムや競技場におけるテロ対策、不審者対策やフーリガン対策、コンサートホール、イベントホールといったさまざまな施設での注意人物対策などのシーンに向けて提案していく。システムの提供価格は400万円から。