日立/日立コンサル、V字回復手法をサービス化
15 12/7
日立製作所は、同社が実践したノウハウをもとに企業の構造改革を支援する「トランスフォーメーション支援サービス」を開始した。グループの日立コンサルティングと共同で実施する。日立は、リーマンショック後の決算で国内製造業として史上最悪となる8千億円近い赤字を計上し、以降構造改革に取り組んできたが、2010年度までに事業ポートフォリオを見直し、その後回復を遂げた。その際のノウハウや、同社が利用するグローバルでの物流サービス、同社が提供する関連ITサービスを活用して、グローバルな日系企業を中心に変革を支援するとしている。
日立は、世界同時不況真っただ中の2009年3月期決算において、7873億円の最終赤字を計上した。総合電機メーカーとして当時総花的なビジネスモデルや中途半端なグループ政策などと多くの批判が集まるなかで改革を断行し、膿を出してV字回復を実現した。
さらに2011年度からは、「ヒタチ・スマート・トランスフォーメーション・プロジェクト」としてコスト構造改革を実施しており、2015年までの「間接コスト」「生産コスト」「直接材コスト」による累計削減額は、4200億円に達する見込みとしている。
こういった80種類を超える、同社グループにおいて実際に成果を上げた構造改革のために実施した取組みと、同社のITソリューション・サービス、ITインフラのシェアードサービスなどを組み合わせて、グローバル展開する製造業を中心に抜本的な構造改革を支援する。
プロジェクト体制や改革の進め方に関する上流コンサルティングから、サプライチェーンマネージメント(SCM)ソリューション、グローバル調達ロジスティックスサービス、グローバル会計ソリューション、アウトソーシングサービスまでの最適化・コスト削減ソリューションから、最新のクラウドやIoTを活用したサービスまでサービスラインアップを揃え、素材・部品販売からB―Cの完成品販売まで、幅広い業種の製造業向けにサービスを展開する。