レッドハット、エンタープライズIT加速

16 10/10

 米レッドハット社は、年に1度のプライベートイベント「レッドハットフォーラム2016東京」を都内で開催し、ジム・ホワイトハーストCEOが来日して今後の方向性について語った。10年前にはLinuxディストリビューション一本だった同社のビジネスが、現在はプラットフォームとミドルウェアなどのアプリケーション基盤において、買収を含めて27製品を提供するまでに拡大しており、今後も幅広いオープンソースソフト(OSS)プロダクトを軸として、企業のデジタル変革を支援していく方向性を示した。

 レッドハット社は、「レッドハット・エンタープライズLinux(RHEL)」ディストリビューションから、Javaアプリケーションサーバーの「JBoss」などのアプリケーション関連のミドルウェアに領域を広げ、さらにはクラウドの普及に伴い、クラウド基盤の「オープンスタック・プラットフォーム」や仮想化ストレージなど、プロダクトを積極的に増やしている。
  これにより、今年度の第2四半期まで「58四半期連続で売上が伸びている」(ホワイトハーストCEO)と好調を維持している。
  今後は、ユーザー側ではデジタル事業による収益増を見込むCEO/CIOが着実に増え、IT領域ではオープンソースによるイノベーションが加速していることから、アプリケーションを物理、仮想、マルチベンダーのクラウド環境でどこでも稼働させられるOSSプロダクトによるオープン性を強みとして、エンタープライズITを支援していく。
  具体的な領域としては、開発と運用を一体化し、アジャイル型で変化に即応する「DevOps(デブオプス)」と、DevOpsの構成要素ともなる「コンテナ仮想化技術」などに注力していく。
  このほかに同社は、HTML5モバイルアプリ開発環境の「Monaca」を提供するアシアルとのエンタープライズアプリケーション開発における協業を発表している。


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