NTTコム、グローバル事業展開加速

16 4/18

 NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は、2020年までの5カ年中期計画「ビジョン2020」を発表した。グローバルでの売上増加を軸に、5年後の売上高を現在の1兆3200億円から1兆5千億円に伸ばす計画だ。「グローバルのシームレスなサービスを中心としたICTソリューションを拡充・強化して顧客の経営改革に貢献する」(庄司哲也社長)としている。計画をふまえ初年度となる2016年度は、ソフトウェア・ディファインド(SDx)技術とマネージドサービスの高度化を図る。

 NTTコムは現在、世界全体で容量7・6Tbpsのネットワークケーブルを活用し、これまでに買収した海外子会社のリソースも含めて世界196カ国・地域でVPNなどのネットワークサービスをはじめ、世界8都市での仮想化データセンターなどを活用したクラウド、コロケーションサービスを運用している。
 これらのインフラとサービスの基盤を強化して、グローバルの売上高を2015年度(見込み)全売上の27%となる3千500億円から、2020年に40%の6千億円に伸長させる。
 今後サービス領域では、SDx技術を活用し、クラウドサービスやネットワークサービスの柔軟性やオン・デマンド性を高め、マネージドサービスの管理・自動化機能を高度化してユーザーの利便性を高める。
 SD―WANとして、専用線とインターネットを併用し、重要な通信と一般の通信を使い分けてネットワークの混雑を回避するサービスや、インターネットアクセスの調達やネットワーク管理を日本から一元的に実施可能とするほか、SD―LANとして社内のネットワーク構成や通信経路の設定、運用・構成管理を一括して行えるサービスなどを新たに開始する。
 このほかにネットワークサービスでは、グローバルサービス拡充の一環として、都市エリアや国をまたいだ12カ国、30カ所以上のデータセンターを大容量・閉域ネットワークで高速に接続するサービスを今後開始する。
 このほかに、IoTサービスを強化する。新たにIoTプラットフォームを構築し、デバイスからインターネットを経由しないセキュアな通信でクラウドの同社データセンターに送信・保管し、IoTプラットフォームと顧客のデータセンター上の業務システムとを安全なネットワークを活用してつなぐ。
  サービスは、「製造業」「自動車」「各種機器・製品向け」と3種類を5月以降順次開始する。

 

NTTコミュニケーションズ