NIIとSMAMが実施、金融資産管理で研究組織
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国立情報学研究所(NII)と三井住友アセットマネジメント(SMAM)は、ビッグデータを生かした金融資産管理(アセットマネジメント)分野の取組みなどを研究する専門組織として「金融スマートデータ研究センター」を2月1日に設立した。センターはNII内に設置し、NIIの喜連川優所長がセンター長に就任、研究リソースをNIIが提供し、SMAMが資金を提供する形となる。これにより、「ビッグデータによる経済社会現象の高精度な分析技術開発、未来予測などを行う」(喜連川所長)としている。
金融スマートデータ研究センターは、2019年3月末までの期間限定で開設する。SMAMは、人件費や経費などの研究資金を3年間で1億円以上投資する計画で、研究成果はSMAMの技術とするのではなく、共有知として一般に公開する予定だ。
金融機関やIT企業を中心にフィンテック関連の研究や取組みが活発化しているが、同研究ではビッグデータ分析による知見によって、国内金融市場の活性化を図る。
その際に、「ビッグデータのように大量のデータでなくても精度の高いデータを上手に集めて上手に解析して知識化・可視化する」(喜連川所長)という「スマートデータ」を活用して、金融分野での資産運用に関する情報収集および分析に注力する。
研究の成果となる高精度な情報抽出技術によって、欲しい情報に短時間でアクセスできるようになり、それをもとに業務担当者は手間のかかる情報収集および精製という業務から解放され、高精度なデータをもとに判断を下すという本質的な業務に専念できるようになる。
アセットマネジメントの高度化によって国民の資産形成を強化するとともに、未来予測の精度向上を実現することによって、経済の法則解明や社会問題の解決を図る。