コンカーがオープン戦略

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 SAPグループの世界的なSaaSプロバイダー、米コンカー・テクノロジーズの日本法人、コンカーは、出張や経費の精算業務をクラウドで管理するアプリケーション共有サービス「Concur App Center(コンカー・アップ・センター)」の提供を開始すると発表した。オープンプラットフォームとして、パートナー企業のアプリケーションやサービスと連携し、ユーザーの経費精算の全自動化などを実現する。サービス提供に合わせ、日本交通系のタクシー会社JapanTaxiや富士ソフトなどパートナー企業との連携も始まった。

 

 コンカーは、経費精算アプリで国内5割を超すシェアを持つが「処理機能をコンカーだけに抱えていては限界がある。外部と連動することにより広範なサービスを展開できる」(三村真宗・コンカー社長)との考えからオープン化戦略に乗り出した。
 領収書など帳票類の電子化は、e―文書法の10月改正に続き16年度にもスマートフォンからの領収書入力など一段の緩和が見込まれ「外回りをする人を含めビジネスパーソンの精算業務をゼロにする」(同)環境が整いつつあると見ている。
 サービスは、経費精算を全自動化する個人ユーザー向けアプリケーション「for Me」と、組織経費の最適化を図る企業の経理部門向け「for my Business」の2カテゴリー。
個人向けは、領収書画像の自動データ化、タクシー配車サービスの決済情報連携、経費入力代行サービスとの連携、ホテルなどからの電子領収書によるデータの自動取込みなど、生産性を向上させる。
 たとえば、日本交通系のタクシー配車サービスとの連携では、全国タクシーアプリからネット決済でタクシーを利用した際、その決済情報や利用明細を電子領収書の形でコンカ ーに自動取込みする。利用者は、アプリでタクシーを呼び目的地に到着して車内で料金を支払うと同時に経費精算が完了する。
 また企業向けは、出張費用最適化、海外の付加価値税(VAT)還付サービス、ERPなど各種システムとの連携など、企業全体で利用することで出張・経費管理の高度化を支援する。たとえば富士ソフトとの連携では、コンカーと全銀ファイルによるファームバンキングによって振込手数料を低減できる。
今回のオープンプラットフォーム戦略にともない、このほか、クラビス、アビームコンサルティング、トップレップ、セゾン情報システムズなどもパートナーとして連携サービスに乗り出した。

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