リコーとウイングアークが基幹系ビジネスの強化で資本提携
08 7/28
リコーとウイングアークテクノロジーズ(WAT)は、基幹システムをターゲットとした帳票ソリューションビジネスで資本提携を行うと同時に、協業体制を強化した。リコーは2007年にIBM社のプリンター事業を買収し、コンシューマーからSOHO、中小企業から大企業までを網羅するプリンティングソリューションの提供を実現している。今回は拡大戦略を展開している基幹系の帳票分野でWATとの協業を強化し、両社の技術を統合することで分散印刷ソリューションを共同展開することにした。
両社の協業は2007年4月から開始しているが、これまでリコーのプリンターに帳票サーバーなしで印刷できるプリントアシスタント機能を共同で開発している。
今回の協業拡大は、リコーがねらう基幹系システムのビジネス強化を図るもので、WATが持つ帳票ソリューションとリコーのプリンターを活用してシステム全体の省資源化と運用コストの軽減を提案していく。
これによりリコーは、ミッションクリティカルでオープンな印刷ソリューションを提供できるようになるとしている。リコーはこれに伴い、アドバンテッジパートナーズLLPがサービスを提供するファンドからWATの発行済株式総数の約1%相当を3億5千万円で取得する。
両社が今後共同で推進するのは、基幹システムの分散印刷ソリューション、自治体向けの帳票印刷ソリューション、バリアブルデータの高速処理における共同研究―の3項目を掲げた。
具体的には、自治体向けでは住民基本台帳ネットワーク統一文字に対応した帳票ソリューションや、自治体の新システムで申請書や証明書などの帳票印刷がシームレスに行える環境の構築を全国規模で展開するなどとなっている。
WATは、上場に向けた資本戦略の一環としてリコーの資本参加を位置付けており、これまでもNECと資本提携しており、「今後もパートナーとの資本提携と業務提携を積極的に検討する」(広報)としている。
ウイングアークテクノロジーズ http://www.wingarc.com/