IT戦略本部が新ITC戦略を公表

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 高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)は、新たに策定した情報通信政策「新たな情報通信技術戦略」を公表した。4月に発表した案に対するパブリックコメントを考慮した形で明らかにしたもので、国民主権の社会を確立するためのICT利活用を具体的に進めていくことになる。IT戦略本部では、今月をめどに具体的な取組みのスケジュール、担当府省などを明記した工程表を策定するほか、ICT利活用を阻害する既存の制度の徹底的な洗出しと見直しによる利用促進法の法制化を検討するとしている。

 今回、新たに策定したICT利活用の重点政策は、大前提に「国民主権」を掲げ、過去に推進してきたIT戦略の延長線上にないことを明らかにした。また、これまでの関連政策が効果を上げていない原因を徹底追及するとともに、関係府省間や政府と自治体、政府と民間などの連携を具体的に進めていくことを明言した。
  内容を具体的に見ると、基本に「3つの柱と目標」をあげている。まず「国民本位の電子行政の実現」、そして「地域の絆の再生」、最後に「新市場の創出と国際展開」で、これらは必ずしも連動するわけではなく、単体によるIT利活用の促進が中心となる。
  国民本位の電子行政では、「ICTを活用した行政刷新と見える化」を掲げ、住民票や印鑑証明、戸籍謄本など各種証明書の入手をオンラインで利用できるようにする。また、社会保障・税の共通番号を検討し整合性を図り、個人情報を確保した電子行政の共通基盤として、2013年までに国民ID制度を導入するとしている。
  この国民ID制度については、内閣官房をはじめ総務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、経済産業省などが連携して、行政機関による運用やアクセスの状況を監視する第三者機関の創設、公的ICカードの整理・合理化なども併せて行っていく考えを示した。
  一方、地域の絆の再生では、医療分野への取組みを強化する。これは、国民が全国どこからでも自らの医療・健康情報を電子的に管理、活用する「どこでもMY病院」構想を実現するための全国レベルの情報提供サービスを創出するもの。さらに、シームレスな地域連携医療の実現やレセプト情報の活用による医療の効率化、医薬品などの安全対策の推進を掲げた。
  新市場の創出と国際展開では、クラウドコンピューティングサービスの競争力確保や政治活動に関する電子化など懸案の事項が並んでいる。

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高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)