政府がIT予算の重点方針を明示

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 政府は、世界最高のIT利活用社会の実現に向けた国家ビジョンとして6月に発表した「世界最先端IT国家創造宣言」(創造宣言)の達成に向けて、今後のIT関連予算を各省庁に重点的かつ効率的に配分するための「情報通信技術(IT)関係施策に関する平成26年度戦略的予算重点方針」を公開した。サイバー攻撃対策をはじめ、これまでは、IT化、政策ともに各省縦割りの取組みで成果が出にくい部分があったが、今後は新設された内閣情報通信政策監(政府CIO)の監視のもとで、各省同じ方向を向いてIT化を推進していくことになる。

 これまでのIT化施策では、各省庁が概算要求を行い、それぞれに予算が割り振られることになるが、IT分野に関する全体でのすり合せはなく、それぞれの方針のもとで予算要求が行われてきた。その結果、全体最適化されないシステムが乱立し、電子政府化が世界の先進国に比べて進んでいないという状況を招いている。
政府はこのような状況をふまえた上で、世界最先端IT国家創造宣言を発表し、さらも創造宣言の実現に向けての具体的な施策をとりまとめた「工程表」も策定している。政府の方針では今後、工程表にあわせてIT化ならびに予算配分を行っていくことになる。
 戦略的予算重点方針は、政府CIOが政府のIT政策の司令塔として、府省庁の縦割りや重複を排除することを目的に、政府の情報通信技術に関する次年度の概算要求に向けて重点化の考え方を示したものとなる。
今後は、政府CIOが概算要求前に内閣官房情報セキュリティセンター及び総務省行政管理局と連携して、各省庁の概算要求が同重点方針に沿ったものかどうかを審査・調整し、概算要求後にはそれぞれの内容を審査して必要な措置をとる。
 予算執行段階においても、創造宣言の工程表と照らし合わせて、実現が困難なものについては見直しなどのフォローアップも行う。
 今後IT予算は、創造宣言および工程表に掲げられた目標・政策課題の達成に寄与するものに重点化される。要求にあたっては、適切で明確な目標および可能な限り定量的な評価指標(KPI)を設定することとし、各省庁で利用する情報システムについては、業務改革を徹底し、共通システムを利用するなどと記されている。それ以外については、制度改正や情報セキュリティ確保の観点から対応が必要なものなど、緊急性があるものに限定するとしている。

政府高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)