IT戦略本部がオンライン申請推進に加速策
08 9/22
IT戦略本部は、電子政府・電子自治体の推進に必要となるオンライン申請・届出のさらなる利用拡大を図るために、来年度から3年間の重点的な行動計画を策定した。これまで対象としていた165手続きをさらに絞り込んで全申請件数の76%をカバーする71手続きとし、それぞれについて取組み方針と目標値を設定した。認証基盤の導入やガイドラインの策定といった基盤整備に加え、添付書類の削減などバックオフィスとの連携を視野に入れた重点整備など、新制度の導入による既存システムの抜本的見直しが行われる可能性が高いようだ。
今回の重点策は「オンライン利用拡大行動計画」で、これまでの利用促進対象手続が165手続あったが、これを利用頻度が高い年間申請等件数100万件以上の手続、かつ100万件未満の手続でも反復的または継続的に利用する手続などを再選定して71手続まで絞り込んでいる。
具体的には、年間1億5700万件ある「登記」の5手続、3100万件の「国税」15手続、1億8100万件の「社会保険・労働保険」の21手続、それ以外に5100万件ある輸出入・港湾、自動車登記など30手続となっている。
政府のIT新改革戦略では、2010年度までに国の手続のオンライン化を50%以上とする目標を立てているが、現状ではオンライン利用率が低調で、目標達成への取組みと実現、次のステップとなる目標の設定が欠かせない。そこで、新たな重点策では全体一律の目標値を設定するのではなく、手続によって利用者の情報リテラシーやIT基盤の整備に高低があることから個別の目標を掲げてオンライン利用を飛躍的に拡大させることにした。
例えば「登記」では、取扱方針として、より簡単な操作で申請が可能になるように登記申請書作成ソフトを随時改善する、10年度中にWebで請求できる仕組みを適用するなど。オンライン利用率の目標値では、13年度に71%を掲げた。ただし、早期に効果が現れやすい3手続については11年度末に57%という目標を掲げた。
ほかにも、オンライン利用に必要な個人認証基盤の普及拡大、セキュリティやユーザビリティなどのガイドライン策定、手数料の引き下げや納付方法の多様化など経済的インセンティブを向上する対策、提出書類など添付書類の削減対策などを明確にし、普及率を促進することになる。