カスペルスキー、セキュリティOSを提供
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カスペルスキーは、重要インフラやIoTシステムなどで利用される組込み機器向けに、セキュリティに特化した独自のオペレーティングシステム(OS)「カスペルスキーOS」の提供を開始した。カスペルスキーOSは、今後サイバー脅威の標的になることが増える組込み機器やIoT機器に対してセキュリティ実装や安全なアプリ開発の基盤を提供するもので、電気通信、自動車、工業、重要インフラといった業界の特徴や組込み製品の特性を踏まえ、同社がユーザーごとにカスタマイズして提供する。
業種・製品ごとカスタマイズ
カスペルスキーOSは、ウインドウズやLinuxのようなマイクロカーネルアーキテクチャーを基盤とした組込み用OSとなる。LinuxOS上への実装や、単体で組込みOSとして活用することも可能。
セパレートカーネル、リファレンスモニター、MILS(マルチプル・インディペンデントレベルズ・オブ・セキュリティ)、FLASK(フラクス・アドバンスド・セキュリティカーネル)アーキテクチャーなどの複数のセキュリティ技術を採用しており、APIベースでファイルアクセスやネットワークアクセス、メモリーアクセスという細かいレベルで、セキュリティの設定を施すことができる。
事前に策定したセキュリティポリシーに記載された操作のみを実行できるようにプログラムが設計されているため、外部からのサイバー攻撃の影響を受けるリスクが低いIoTや組込みシステム向けの安全なアプリを同OS上に開発できる。
製品の販売にあたっては、搭載する組込み製品やユーザーごとにセキュリティポリシーを策定し、それを踏まえて同社がカスタマイズしてOSを提供する。新製品向けのほかに、既存の組込みシステムに対して、ソフト資産を活用しつつセキュリティ機能を追加で実装することも可能となる。
なお、同OSの開発には15年を要しており、グローバルでは、これまでにロシアのルーター製品などに採用された実績がある。
同社では今後、機器開発(OEM、ODM)やシステムインテグレーター、組込みソフト開発者を対象としたパートナープログラムの構築も視野に入れている。