アズジェント、つながる車にセキュリティ
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セキュリティベンダーのアズジェントは、イスラエルのカランバセキュリティ社と販売契約を結び、組込み型の次世代自動車(コネクテッドカー)用セキュリティソフト「Carwall」と、IoT用セキュリティソフト「IoTwall」の販売を開始、組込み/IoT領域に進出する。これまでのセキュリティ製品は代理店販売形式をとっていたが、今回はカランバ社と共同で直接自動車メーカーやカーナビや車載器などのサプライヤー向けに販売活動を行っていく。
今回取扱いを開始した両製品は、IoTセキュリティに求められる「ハッキングからの防御」「誤検知ゼロ」といった要件をハード、ソフトを変更することなく防御できる車載・IoTセキュリティ用のミドルウェア。
カランバ社は今年製品販売を開始したイスラエルのベンチャーで、アズジェントによると製品は現在、海外でIoT・車載メーカー8社程度が検証段階にあるとしている。
一般的なセキュリティ対策ソフトのように組込みOS上でソフトによって制御するのではなく、自動車やIoT機器の製造過程で自動車を制御する電子制御ユニット(ECU)や、IoT組込み機器に載るボードコンピューターでセキュリティ設定を施す。
製造段階において、メーカーがホワイトリスト方式でセキュリティ要件を固めてチップレベルで実装するためソフトベースのセキュリティ対策製品に発生しがちな誤検知を回避でき、最新ゼロデイ攻撃の影響も受けない。
動作時のパフォーマンス負荷は、2%弱と低く一般のIT機器向けセキュリティ対策のような頻繁なアップデートを必要としないが、メーカー独自にファームウェアの遠隔アップデートの仕組みを構築することも可能となっている。
アズジェントは、チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズのセキュリティ製品販売をはじめ、昨今では自治体向けにファイル無害化ソリューション「ボティーロ」と海外業務系セキュリティ製品の1次販売で実績を持っている。今回組込み領域の事業展開は初で、国のロードマップにおいて自動運転が始まる予定の2020年までの長期的スパンで事業を広げていく構えだ。