イーソル、自動運転向け開発が加速
16 3/21
一般道での自動運転用に開発された国産OSS「Autoware(オートウェア)」の活用に向けた動きが本格化している。イーソルは、数十から数百のコアを持つメニーコアプロセッサー向けのリアルタイムOSを開発、既存の自動車に搭載されているECU(エンジンコントロールユニット)レベルの組込みシステムに搭載し、高い計算能力を必要とする一般道での自動運転を実現できるよう取組む。ほかにも複数の測位技術を組み合わせた技術開発や省エネ化に向けた研究も進み、国産技術での公道自動運転用フレームワークの実現を目指す。
現在、世界の自動車メーカーが自動運転に取り組んでおり、例えば日産自動車は第一段階として高速道路上の単一レーンで安全な自動運転技術を搭載した初のモデルを今年発売する予定としている。
一般道ではデモ走行は行われているが、高速道路よりも条件が複雑化するため、制御のためにコンピューターを自動車に積んでいる状況で、市販には高いハードルがある。
自動運転用OSは、グーグルやアップル、テスラモータースなどの米国企業、日本ではZMTとジグソーが共同開発している。オートウェアは、Linuxとロボット用に開発された「ROS」を元に、名古屋大学や長崎大学、産業技術総合研究所が中心となって開発されたOSSで、複雑な条件が求められる一般道向け自動運転システム用という位置取りをしている。
イーソルは、同社のメニーコアOSに、オートウェアに最適化する形で自動運転システム用のタスク配置やスケジューリングアルゴリズムを実装、ドライバーとライブラリーを開発、さらに複数の異種のハードウェアを組み合わせた場合を想定したマルチチップ資源管理機構を実装する。ハードウェア環境に、仏カルレイ社の256コアのメニーコアプロセッサー「MPPA―256」を利用する。