鯖江商工会議所、日本商工会議所など、経営相談にタブレット導入
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福井県の鯖江商工会議所は、タブレットを活用した会員向け経営相談サービスを開始した。日本商工会議所は、中小企業のIT化支援を目的としてNTTドコモの協力を受け、全国415の商工会議所に約8千台タブレットを導入し、各地の商工会議所に活用を促している。今回鯖江商工会議所は、独自の会員企業向けサービスの一環として、これまで実施してきた会員向けの経営相談にタブレットを導入した形だ。日本商工会議所が開発し、運用しているデータセンターサービスおよびセキュリティサービスを組合せ、サービスを実現している。
タブレットの導入で、相談員は会員訪問時に、会員データや相談履歴を参照しながらの経営相談が可能になり、持ち運ぶ資料の軽量化などで鯖江商工会議所職員の負担を減らせる。また、自らのタブレット利活用モデルを示すことで、地域中小企業のIT活用を促進するというねらいもある。
タブレットから会員データや相談履歴が蓄積された、商工会議所が独自に開発したデータベースシステム「TOAS(トアス)」にアクセスする。
会員のデータに外部からアクセスするため、セキュリティ対策としてID・パスワード認証以外に、デジタル証明書を導入した。今回、松本商工会議所が自らで利用するために開発したサービスを、新たに専用のサーバーも用意して、日本商工会議所の会員向けのクラウドサービス「CCIセキュアアクセス」として開始し、鯖江商工会議所も同サービスを採用する形をとっている。
デジタル証明書発行サービスは、日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が提供するサイバーID証明書「サイバーID証明書JCAN(JCAN証明書)」を利用している。
タブレット上のブラウザーには、ジェイ・エム・エー・システムズ(JMAシステムズ)のセキュアブラウザー「カイト」を採用した。カイトには、JCAN証明書を保持する機能があるため、許可された端末からだけのアクセスが可能になる。
TOASも、もともと松本商工会議所が開発したシステムで、セキュリティ対策とデータベースシステムを商工会議所のデータセンターから既存のサービスとして活用できるようになっている。
データセンターはISMSを取得しており、同インフラに、今後も各商工会議所が独自サービスを開発し、商工会議所会員向けのITサービスの幅を広げていく考えだ。