日立製作所が今年度の事業計画を発表

08 6/2

 日立製作所は、2四半期連続で黒字となったハードディスクドライブ(HDD)事業の強化などを含む今年度の事業計画及び中期経営計画の進ちょく状況などを明らかにした。中でもいまだに赤字から脱却できない液晶パネルや薄型テレビの黒字化が焦点になると同時に、環境に配慮したグリーンITへの取組み、電力や鉄道といった社会基盤事業のさらなる強化など黒字体質の創出への取組みを明確にしている。古川一夫社長は「2006年度、2007年度と赤字となったが今年度は400億円の黒字を死守したい」としている。

 HDD事業については、ワールドワイドで2四半期連続の黒字を守り「ようやく黒字体質が定着してきた」とし、今後は2.5型/3.5型の高速で大容量のエンタープライズ向け製品のラインアップ強化により「黒字体質を維持、強化したい」としている。
  また、生産体制もワールドワイドでの拠点統合を完了しており、その結果、エンタープライズの高速製品やモバイル/デスクトップの大容量製品など主力セグメントの開発リソースの集中が実現すると同時に、マネージメントチームの強化による改革の加速化を可能にし黒字を達成している。
  社会基盤事業や産業基盤事業、生活基盤事業、情報基盤事業などは、日立グループのシナジー効果を最大限に生かして「安定的な高収益構造を追及していく」ことを明言した。
  情報基盤事業では、アウトソーシング事業の強化や「ブレードシンフォニー」など統合ITプラットフォームの拡大、世界最高水準の環境配慮型データセンターの建設といった高付加価値事業の創出を図る。
  さらに、コンサルタント要員を2007年度の2170名から2009年度には3500名まで拡大し、コンサルティングを基軸にしたシステム構築事業を拡大していく考えを示している。
  さらに、次世代スーパーコンピューター「SR11000」を駆使したシミュレーションの徹底活用や、共通プラットフォーム化による組込みソリューションの品質確保も強化点としてあげた。そのほかにも全社、全体的な取組みを強化することで、09年度の連結営業利益率を2007年度の3.1%から2ポイント上げ、「5%まで拡大する」との目標を立てた。

 

 日立製作所 http://www.hitachi.co.jp/